【審査実績あり】自動車リサイクル法 破砕業の許可取得方法を徹底解説!
こんにちは、行政書士の橋本です!
今回は、 自動車リサイクル法破砕業の許可取得方法 についてお伝えします。
破砕業の許可を取得するには各都道府県に申請しなければなりません。
その流れをわかりやすく説明していきます!
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自動車リサイクル法の解体業とは
自動車リサイクル法の【破砕業】とは、法律の条文ではどこに記載されているかご存じでしょうか。それは、以下条文になります。
(定義)
第2条
14 この法律において「破砕業」とは、解体自動車の破砕及び破砕前処理(圧縮その他の主務省令で定める破砕の前処理をいう。以下同じ。)を行う事業をいい、「破砕業者」とは、破砕業を行うことについて第67条第1項の許可を受けた者をいう。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
使用済自動車や解体自動車の破砕や破砕前処理を行う事業を【破砕業】といい、【破砕業者】になるには、許可が必要ということがわかります。
破砕というのは、次のような作業になります。
・部品どりされた自動車を細かく破砕する
・ボリュームを減らすため圧縮や切断を行う
破砕された後の廃自動車のことをシュレッダーダストといいます。このシュレッダーダストは自動車製造業者に引き渡され再資源化されます。
次に、破砕業者になるには許可が必要となりますが、根拠条文は以下になります。
(破砕業の許可)
第67条 破砕業を行おうとする者は、当該業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
これまで自動車リサイクル法で説明してきた【引取業】、【フロン類回収業】の登録と異なり、許可が必要になるところがポイントです。
原則、破砕業を行う者は、許可が必要になり、破砕業を行う事業所の都道府県もしくは政令市に申請を行います。
・使用済自動車の破砕を行う事業が破砕業
・破砕業を行うには、許可が必要
図にすると以下のようなイメージです。破砕業者は、解体業者から引き取った使用済自動車を破砕する業者です。
許可取得に必要な書類
破砕業がどのようなものか理解した上で、許可を取得するために必要な書類を条文から確認しましょう。
(破砕業の許可の申請)
第60条 破砕業許可申請者は、様式第八による申請書に当該破砕業許可申請者が法第六十九条第一項第二号に適合することを誓約する書面及び次に掲げる書類を添えて、都道府県知事に提出しなければならない。
一 破砕業の用に供する施設(積替え又は保管の場所を含む。)の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該施設の付近の見取図(当該施設が廃棄物処理法第十五条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による許可を受けている施設である場合を除く。)
二 破砕業許可申請者が前号に掲げる施設の所有権を有すること(破砕業許可申請者が所有権を有しない場合には、使用する権原を有すること)を証する書類
三 事業計画書
四 収支見積書
五 破砕業許可申請者が個人である場合においては、住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
六 破砕業許可申請者が法人である場合においては、定款又は寄附行為及び登記事項証明書
七 破砕業許可申請者が法人である場合においては、その役員の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
八 破砕業許可申請者が法人である場合において、発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者があるときは、当該株主の有する株式の数又は当該出資をしている者のなした出資の金額を記載した書類並びにこれらの者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類(これらの者が法人である場合には、登記事項証明書)
九 破砕業許可申請者に令第五条に規定する使用人がある場合においては、その者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
十 破砕業許可申請者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が個人である場合においては、その法定代理人の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
十一 破砕業許可申請者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が法人である場合においては、次に掲げる書類
イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
ロ 役員の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類2 都道府県知事は、破砕業許可申請者が法第六十条第一項若しくは第六十七条第一項若しくは第七十条第一項又は廃棄物処理法第十四条第一項若しくは第六項若しくは第十四条の二第一項の規定による許可(平成十二年十月一日以降に受けた許可であって、当該許可の日から起算して五年を経過しないもの(第五十五条第二項若しくはこの項(第六十三条第三項において読み替えて準用する場合を含む。)又は廃棄物処理規則第九条の二第三項(廃棄物処理規則第十条の九第二項において準用する場合を含む。)若しくは第十条の四第三項(廃棄物処理規則第十条の九第三項において準用する場合を含む。)の規定により別に受けた許可に係る許可証を提出して受けた許可を除く。)に限る。)を受けている場合においては、前項の規定にかかわらず、同項第五号及び第七号から第十号までに掲げる書類の全部又は一部に代えて、当該許可に係る許可証を提出させることができる。ただし、破砕業の許可の更新の申請の場合においては、この限りでない。
3 破砕業の許可の更新を申請する者は、第一項の規定にかかわらず、その内容に変更がない場合に限り、同項第一号及び第二号に掲げる書類の添付を要しないものとする。
4 法第六十八条第一項第七号の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。
使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年経済産業省・環境省令第7号)
一 第六十二条第二号イに規定する標準作業書の記載事項
二 他に法第六十条第一項若しくは第六十七条第一項又は廃棄物処理法第十四条第一項若しくは第六項の規定による許可を受けている場合にあっては、当該許可に係る許可番号(許可を申請している場合にあっては、申請年月日)
三 破砕業を行おうとする事業所以外の場所で解体自動車又は自動車破砕残さの積替え又は保管を行う場合には、当該場所に関する次に掲げる事項
イ 所在地
ロ 面積
ハ 保管量の上限
四 破砕業の用に供する施設について廃棄物処理法第十五条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による許可を受けている場合にあっては、当該許可の年月日及び許可番号
五 破砕業許可申請者が法人である場合において、発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者があるときは、これらの者の氏名又は名称及び住所
六 破砕業許可申請者が個人である場合において、令第五条に規定する使用人があるときは、その者の氏名及び住所
条文を確認すると、かなり書類が多くみえるかもしれないですが、簡単に記載すると以下の書類です。
・申請書様式
・誓約書
・標準作業書
・破砕業の施設各種図面
・施設の所有を有する書類
・事業計画書
・収支見積書
・住民票
・登記されていないことの証明書
・定款、登記事項証明書(法人の場合)
これらの書類は、最低限必要となってきます。
破砕業の許可基準について
破砕業は許可なので、業を行うには基準を遵守する必要があります。その条文は次のとおりです。
(破砕業の許可の基準)
第62条 法第六十九条第一項第一号(法第七十条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める基準は、次のとおりとする。
使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年経済産業省・環境省令第7号)
一 施設に係る基準
イ みだりに人が立ち入るのを防止することができる囲いがその周囲に設けられ、かつ、範囲が明確な解体自動車を保管する場所を有すること。
ロ 解体自動車の破砕前処理を行う場合にあっては、廃棄物が飛散し、流出し、並びに騒音及び振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置が講じられた施設を有すること。
ハ 解体自動車の破砕を行う場合にあっては、次のとおりであること。
(1) 解体自動車の破砕を行うための施設が産業廃棄物処理施設である場合にあっては、廃棄物処理法第十五条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による許可を受けている施設であること。
(2) 解体自動車の破砕を行うための施設が産業廃棄物処理施設以外の施設である場合にあっては、廃棄物が飛散し、流出し、並びに騒音及び振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置が講じられた施設であること。
ニ 解体自動車の破砕を行う場合にあっては、自動車破砕残さを保管するための十分な容量を有する施設であって、次に掲げる要件を満たすものを有すること。
(1) 汚水の地下浸透を防止するため、床面を鉄筋コンクリートで築造することその他これと同等以上の効果を有する措置が講じられていること。
(2) 自動車破砕残さの保管に伴い汚水が生じ、かつ、当該汚水が事業所から流出するおそれがある場合にあっては、当該汚水による公共の水域及び地下水の汚染を防止するために十分な処理能力を有する排水処理施設及び排水溝((3)において「排水処理施設等」という。)が設けられていること。
(3) 雨水等による汚水の事業所からの流出を防止するため、屋根、覆いその他自動車破砕残さに雨水等がかからないようにするための設備を有すること。ただし、公共の水域及び地下水の汚染を防止するために十分な処理能力を有する排水処理施設等を設けることその他の措置が講じられることにより雨水等による汚水の事業所からの流出が防止できる場合は、この限りでない。
(4) 自動車破砕残さが飛散又は流出することを防止するため、側壁その他の設備を有すること。
二 破砕業許可申請者又は次条第一項に規定する変更申請者の能力に係る基準
イ 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
(1) 解体自動車の保管の方法
(2) 解体自動車の破砕前処理を行う場合にあっては、解体自動車の破砕前処理の方法
(3) 解体自動車の破砕を行う場合にあっては、解体自動車の破砕の方法
(4) 排水処理施設の管理の方法(排水処理施設を設置する場合に限る。)
(5) 解体自動車の破砕を行う場合にあっては、自動車破砕残さの保管の方法
(6) 解体自動車の運搬の方法
(7) 解体自動車の破砕を行う場合にあっては、自動車破砕残さの運搬の方法
(8) 破砕業の用に供する施設の保守点検の方法
(9) 火災予防上の措置
ロ 事業計画書又は収支見積書から判断して、破砕業を継続できないことが明らかでないこと。
文字が多くわかりにくいので、要点をまとめると以下のとおりです。
【施設の基準】
・事業場周囲に囲いがあり施錠できること
・破砕施設を有すること
・自動車破砕残さを保管する場所の確保
・破砕場所の床面は、原則コンクリート舗装
・破砕残さの保管場所には屋根を取り付ける
・保管場所も基本的にはコンクリート舗装
・汚水や雨水の油水分離層を設ける
【申請者の能力の基準】
・標準作業書があること
・事業がちゃんとできるお金があること
破砕業の施設を建設するには、土地の区分によって都市計画法や建築基準法などの他法令の解除も必要となるため、事前の十分な確認が必要となります。
許可手続きを行政書士に頼むメリット・デメリット
ここまで破砕業の許可手続きのお話をしましたが、行政書士に手続きを依頼するメリット・デメリットを解説します。
メリット
主なメリットは、5つあると考えています。
- 本業に専念できる
- 気軽に相談できる
- 役所に行く手間、時間を省ける
- 他士業の紹介を受けることができる
- 次回の更新手続きまでサポートしてもらえる
行政手続きは、なかなかめんどくさいものです。色々と書類を集める必要があるし、役所に出向かないといけない。
そこをサポートするのが行政書士の役割です。また、一度繋がれば気軽に相談できるパートナーとなります。
デメリット
次に、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
- 費用がかかる
- 行政書士によっては専門外で時間がかかる
やはり、一番は費用面の問題が大きいと思います。
申請手数料に加え、行政書士に支払う報酬がかかってきます。
また、専門としていない行政書士に依頼すると余計に時間がかかったりします。
まとめ
今回は、自動車リサイクル法における破砕業の許可取得方法について説明しました。ポイントは、
・破砕業は許可を取得する必要がある
・許可取得にかかる書類が少々複雑である
・行政書士に依頼することで速やかに許可を取得できる
当事務所は、公務員として自動車リサイクル法の審査をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。
自動車リサイクル法の破砕業の許可手続きやその他自動車リサイクル法の手続きでお困りの場合は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。