産廃処理における排出事業者責任 その3

ドラム缶保管

排出事業者責任シリーズも3回目となりました。

前回、主な【排出事業者責任】は以下のようなものがあることを解説しました。

① 委託契約書の締結義務
② マニフェスト交付、保管の義務
③ 産廃を排出するまでの保管基準遵守の義務
④ 委託した産廃が適正処理されたことの確認の努力義務

このうち①、②については前回解説しましたので、今回は③、④について解説します。

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保管する際のルール

産業廃棄物が出た場合、収集運搬業者さんに回収してもらうまで事業所内や現場で保管しないといけません。その保管方法に法律上のルールがあることをご存じでしょうか。

その保管のルールには、以下のようなものがあります。

  • 囲いの設置
  • 保管場所の掲示
  • 生活環境保全上の支障防止

全て当たり前のことかもしれませんが、できていない方もおられるはずです。特に保管場所に設ける掲示板は文言や大きさが決められていますので要注意です。

また、屋外に保管する場合に容器等を用いずに保管する場合、廃棄物の高さに制限が生じます。

さらに、安定型産業廃棄物(廃プラ、ガラ陶、がれき類、ゴムくず、金属くず)以外の廃棄物を保管する場合は、屋内に保管することが望ましく、屋外に保管する場合は、床下をコンクリート等にする必要があります。

詳しくは、過去のブログをご確認ください。

産廃処理の現場はおもしろい!

排出事業者としては、

「産業廃棄物が目の前からなくなったら、それで終わり。」
「あとは、収集運搬業者・処分業者がちゃんと処理してくれる。」

そう思うのが普通です。

これが、製品の販売だとそうもいきません。
ちゃんと相手に納期通りに届いたか配送伝票などで確認すると思います。

前回のブログでも解説したとおり、廃棄物の世界でも同じように運搬が終わり、処分がされたことを産業廃棄物管理票(マニフェスト)もしくは電子マニフェストで管理することができます。
というか、排出事業者がちゃんと交付して、保存しないといけません。

マニフェストで処理を確認したら一安心ですね。たしかに日付や収集運搬・処分業者さんの印鑑が押してあるので処理されたことは間違いありません。

ここで、重要なのが一度でも自身が産業廃棄物の処理を委託している業者の施設や処理方法などを見たことがあるかということです。

「仕事も忙しいし、そんなのやっている暇ないよ。」
「許可業者だから大丈夫でしょ!」

そんな言葉が聞こえてきそうですが、ぜひ一度でいいので自ら排出した産業廃棄物がどのように処理されているのか確認してみてはいかがでしょうか。

実際に処理される現場を見ると、

「排出している産廃はこんな風に処理されていたのか。おもしろい!」

と思われると思います。

法律では、この現場確認は義務ではなく、努力義務です。
なので、それぞれの企業に任されています。

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現地確認が条例で義務化

先ほど説明した現場確認の努力義務ですが、都道府県によっては、現場確認を義務としている自治体もあります。

北海道では、1年以上継続して産業廃棄物の処分を業者に委託するときは、毎年1回以上定期的に、当該委託に係る処分の実施の状況などを確認し、その結果を記録・保存しなければなりません。

ぜひ、これを機会にご自身の自治体の条例もご確認ください。