自動車リサイクル法とは?許可の種類や規制対象を徹底解説!
こんにちは。はしもと行政書士事務所の橋本です。
今回は、 自動車リサイクル法の許可の種類や対象 についてお伝えします。
自動車リサイクル法は、自動車の再資源化を目的にした法律です。廃自動車は、この法律に従い処分されます。
それでは、自動車リサイクル法ではどのような許可の種類があるのか確認しましょう。
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自動車リサイクル法の概要
法律制定の背景
自動車リサイクル法の正式名称は、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」です。
平成17年1月に制定された自動車リサイクル法は、使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るためにできた法律です。
自動車には、有用金属や部品など資源として価値の高いものが多くあるため、従来よりリサイクルは行われていました。
しかし、最終処分場の逼迫により使用済自動車の有用金属や部品などを取り外した後の解体自動車を破砕した廃棄物(シュレッダーダスト)を低減する必要が生じ、法律制定に至りました。
法律の仕組み
自動車リサイクル法では、自動車製造業者(メーカー)を含む自動車に関わる関係者に具体的な役割を与えています。
(1)自動車の所有者(最終所有者)
リサイクル料金の支払い、自治体に登録された引取業者への使用済自動車の引き渡し
(2)自動車メーカー・輸入業者
製造、輸入した車が使用済自動車となった場合、その自動車から発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を引き取り、リサイクルを行う
(3)関連事業者
引取業者、フロン回収業者、解体業者、破砕業者など自治体に登録または許可を受けた事業者が使用済自動車を適切に処分する
それでは、各関連事業者は、自治体からどのような登録や許可を受ける必要があるのか確認しましょう。
動車リサイクル法の許可の種類
自動車リサイクル法で登録や許可が必要な種類は、4種類あります。
それでは、実際に許可を取得するにはどのような流れになっているのでしょうか。
1 引取業者(都道府県知事等の登録制)
自動車の所有者から使用済自動車を引き取り、フロン回収業者または解体業者に引き渡します。
自動車リサイクル法のルートに乗せる入口の役割を、引取業者が担っています。
自治体の登録制なので、取得するハードルはそこまで高くありません。
2 フロン回収業者(都道府県知事等の登録制)
自動車エアコンの冷媒に用いられているフロン類を適正に回収し、自動車製造者等に引き渡します。
だいたいの事業者が引取業とフロン回収業をセットで登録しています。
引取業同様、自治体による登録制のため取得するハードルは高くありません。
3 解体業者(都道府県知事等の許可制)
引取業者、フロン回収業者から引き渡された使用済自動車から有用部品を取り外し、リサイクルする業者です。
取り外したエアバッグ類を自動車製造業者等に引き渡します。
許可を取得するには、産業廃棄物処分業同様、慎重に要件を確認して進める必要があります。
4 破砕業者(都道府県知事等の許可制)
解体業者が部品どりした使用済自動車を細かく破砕し、シュレッダーダストにして自動車製造業者等へ引き渡します。
解体業同様、許可を取得するハードルは高く、慎重に要件を確認し、進める必要があります。
自動車リサイクル法の規制対象やリサイクル方法
法律の対象の車両は?
自動車リサイクル法の対象となる自動車は以下の車両になります。
以下の車両を除く全ての自動車
・被牽引車
・二輪車(原動機付自動車、側車付のものを含む)
・大型特殊自動車、小型特殊自動車
・その他(農業機械、スノーモービル等)
リサイクル料金の払い方
使用済自動車のリサイクル料金は、原則、新車購入時に所有者が負担することになります。
自動車を購入された方であれば、リサイクル料金を支払っているのを見たことがあると思います。
ただし、購入時に払っていない方は、廃車時に支払うことになります。
リサイクルの流れ
自動車の所有者が廃車したいとなった場合、まずはディーラー等の引取業者に依頼することでリサイクルが始まります。
自動車リサイクル法では、電子マニフェストと呼ばれる電子システムで引取、フロン回収、解体、破砕までをパソコンで管理し、報告するシステムになっています。
以下に一連の流れを図で示します。
(出典:環境省)
自動車リサイクル法の注意点
自動車リサイクル法を説明しましたが、改めて注意する点を示します。
引取業、フロン回収業は登録制
自動車リサイクル法で定められている関連事業者のうち、「引取業」「フロン回収業」については届出による登録制です。
必要な書類を準備し、管轄の自治体に提出すれば、大体、登録を受けることができます。
解体業、破砕業は許可制
「解体業」「破砕業」については、許可制になります。
廃棄物処理法の処分業の許可同様、許可基準が定められており、施設基準などが設けられています。
よって、許可を取得する前に十分に行政へ相談し、事前手続きの条例する場合は、その要件をクリアする必要があります。
例でいうと、兵庫県では、自動車リサイクル法に基づく「解体業」、「破砕業」の許可を取得する場合、事前に地元へ計画書の縦覧や説明会の実施が義務付けられています。
手続きが難しいので、申請のプロである行政書士に頼むのがベストだと思います。
電子管理の必要がある
自動車リサイクル法に基づく関連事業者となった場合、「自動車リサイクルシステム」 に登録する必要があります。
廃棄物処理法における電子マニフェストのような制度で、自動車リサイクル法ではこのシステムにより処理の経過を確認することになります。
まとめ
今回は、自動車リサイクル法の許可の種類や規制対象について説明しました。
使用済自動車を適切にリサイクルするには、自動車リサイクル法に従った処分をする必要があります。
自動車リサイクル法の届出・許可申請でお困りの際は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。