【令和8年予定】産業廃棄物処理委託契約書の記載事項追加について
現在、環境省において法改正の議論が展開されているところですが、すでに議論されていた「委託契約書の記載事項追加」の法改正案が施行される予定です。追加される内容は以下のとおりです。
へ 委託者が特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)第2条第5項に規定する第一種指定化学物質等取扱事業者①である場合であって、かつ、委託する産業廃棄物に同条第2項に規定する第一種指定化学物質(同法第5条第1項の規定により第一種指定化学物質等取扱事業者が排出量及び移動量を把握しなければならない第一種指定化学物質に限る。)が含まれ、又は付着している場合②には、その旨並びに当該産業廃棄物に含まれ、又は付着している当該物質の名称及び量又は割合 【出典】令和7年4月22日 官報 「環境省令第15号」 |
今回の改正は全ての事業者が対象ではありません。整理すると以下の場合に追加の記載が必要となります。なお、この改正の施行日は、令和8年(2026年)1月1日です。
①委託者がPRTR法の第一種指定化学物質等取扱事業者に該当する場合
②委託する廃棄物に第一種指定化学物質が含まれ付着している場合
まず、①の対象事業者は、経済産業省に掲載のある以下のフローから判断できます。

表中の24業種はこちらから確認できます→「経済産業省 PRTR制度 対象事業者」
次に②の「第一種指定化学物質」は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ダイオキシン類、クロロホルムなど2025年7月現在で計515物質が指定されています。詳細はこちらから確認できます→「PRTR制度 対象化学物質」これらの物質は、国際的な動向により追加される可能性がありますので、現状対象物質でないものも対象となる可能性があります。
化学物質を多く使用するPRTR法対象事業者は、施行日である令和8年1月1日以降に締結する委託契約書の内容に要注意です。委託契約書の内容の漏れは、直罰規定となっておりますので、排出事業者は特に気をつける必要があります。実務上、すぐに罰則の適用となる例は少ないですが、無用な行政指導を避けるため事前に知識として蓄えておいてください。
なお、経過措置として施行時にすでに締結されている契約書については、契約の更新までは今回の記載事項の追加は不要です。(改正省令附則第2条)
化学物質を多く取り扱う会社と委託契約を締結している処理会社においては、排出事業者が処理委託に関する書類や契約書への化学物質の記載漏れを起こさないよう、事前に注意喚起を行うことが望ましいと考えられます。
最後にPRTR制度の仕組みを簡単に示します。(表中の「対象物質(462物質)」は改正前の数字です。)

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