【徹底解説】自動車リサイクル法、破砕業の変更手続き | 手続きの種類や条件とは?
こんにちは、行政書士の橋本です。
今回は、 自動車リサイクル法の破砕業の変更手続き についてお伝えします。
破砕業は許可が必要ですが、変更手続きにはどのような種類や条件があるのでしょうか。
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変更手続きの種類について
自動車リサイクル法の破砕業の許可を取得した後に、何か変更が生じると変更の手続きが必要です。
変更手続きには大きく分けて【変更許可】と【変更届】の2種類あります。それでは、具体的にそれぞれの条件を確認しましょう。
変更手続きは、以下2種類
・変更許可
・変更届
変更手続きの具体的な条件
変更手続きが2種類あることはわかりましたが、具体的にはどのような場合に変更が必要なのでしょうか。
【変更許可】と【変更届】のそれぞれの条件について確認していきましょう。
変更許可
変更許可が必要な場合とは、どのような場合でしょうか。
届出ではなく、許可なので申請をして変更許可を得るまでは変更できません。
法律ではどのように記載されているのでしょうか。以下に抜粋します。
(変更の許可)
第70条 破砕業者は、その事業の範囲を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
・・・・え?それだけ???と思われた方が多いのではないでしょうか。変更許可の条文はこれだけです。じゃあ、事業の範囲の変更ってなんなの?ってなりますよね。
それは主に以下の変更事項が該当します。
・破砕前処理だけで許可を受けていたが、破砕処理も行う場合。
・破砕処理だけで許可を受けていたが、破砕前処理も行う場合。
要するに、今許可を持っている事業の範囲を越える活動を行う場合、変更許可が必要となります。
ちなみに【破砕処理】と【破砕前処理】のイメージは以下のような行為です。
【破砕処理】
解体自動車をプレス機、ニブラやギロチンを用いてプレス又はせん断する
【破砕前処理】
解体自動車を破砕機(シュレッダー機)を用いて破砕する
変更届
続いて、変更届が必要な場合とはどのような場合でしょうか。こちらも法律を確認しましょう。
(変更の届出)
第71条 破砕業者は、第68条第1項第1号又は第3号から第7号までに掲げる事項に変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
変更届の内容は以下の条文の赤字部分です。
(許可の申請)
第68条 前条第1項の許可を受けようとする者(以下「破砕業許可申請者」という。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 事業の範囲
三 事業所の名称及び所在地
四 法人である場合においては、その役員の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
五 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
六 事業の用に供する施設の概要
七 その他主務省令で定める事項
条文では少しわかりにくいと思うので変更届が必要な場合を以下にまとめておきます。
・氏名又は名称を変更する場合
・事業所の名称及び所在地
・役員等の変更があった場合
・破砕する施設の概要が変わった場合
・運搬車両の保管場所の駐車場所が変わった場合
変更手続きの必要書類
それでは、実際に産業廃棄物収集運搬業の変更手続きにはどのような書類が必要となるのでしょうか。
【変更許可】と【変更届】で必要書類が異なるため、分けて確認していきましょう。
変更許可の必要書類
まずは変更許可の必要書類ですが、法律を確認しましょう。
(変更の許可の申請)
第63条 法第七十条第一項の規定により破砕業の事業の範囲の変更の許可を受けようとする破砕業者(以下この条において「変更申請者」という。)は、次に掲げる事項を記載した様式第十による申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年経済産業省・環境省令第7号))
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 許可の年月日及び許可番号
三 変更の内容
四 変更の理由
五 変更に係る破砕業の用に供する施設の概要
六 変更に係る破砕業の用に供する施設について廃棄物処理法第十五条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による許可を受けている場合にあっては、当該許可の年月日及び許可番号
七 法第六十八条第一項第四号及び第五号並びに第六十条第四項第一号、第三号、第五号及び第六号に掲げる事項
2 前項の申請書には、当該変更申請者が法第六十二条第一項第二号イからヌまでのいずれにも該当しないことを誓約する書面及び次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 変更に係る破砕業の用に供する施設(積替え又は保管の場所を含む。)の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該施設の付近の見取図(当該施設が廃棄物処理法第十五条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による許可を受けている施設である場合を除く。)
二 変更申請者が前号に掲げる施設の所有権を有すること(変更申請者が所有権を有しない場合には、使用する権原を有すること)を証する書類
三 変更後の事業計画書
四 変更後の収支見積書
五 変更申請者が個人である場合においては、住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
六 変更申請者が法人である場合においては、定款又は寄附行為及び登記事項証明書
七 変更申請者が法人である場合においては、その役員の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
八 変更申請者が法人である場合において、発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者があるときは、当該株主の有する株式の数又は当該出資をしている者のなした出資の金額を記載した書類並びにこれらの者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類(これらの者が法人である場合には、登記事項証明書)
九 変更申請者に令第五条に規定する使用人がある場合においては、その者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
十 変更申請者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が個人である場合においては、その法定代理人の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
十一 変更申請者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が法人である場合においては、次に掲げる書類
イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
ロ 役員の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
3 第六十条第二項本文の規定は、破砕業の事業の範囲の変更の許可の申請について準用する。この場合において、「破砕業許可申請者」とあるのは「変更申請者」と、「この項(第六十三条第三項」とあるのは「第六十条第二項(この項」と、「前項」とあるのは「第六十三条第二項」と読み替えるものとする。
施行規則に詳細に記載がありますが、簡単に内容を抽出すると以下書類です。
・申請書様式
・施設の各種図面
・施設の所有権を有する書類
・変更後の事業計画書
・変更後の収支見積書
・住民票、登記されていないことの証明書
・(個人の場合)資産に関する調書、直前3年の所得税納税証明書
・(法人の場合)定款、直前3年の財務諸表、納税証明書
大まかにこのような書類です。各自治体によって異なる場合があるので申請の際は確認をお願いします。
変更届の必要書類
次に、変更届の必要書類です。こちらも法律を確認しましょう。
(破砕業に係る変更の届出)
第64条 法第七十一条第一項の規定により変更の届出をしようとする破砕業者は、様式第十一による届出書に当該破砕業者が法第六十二条第一項第二号イからヌまでのいずれにも該当しないことを誓約する書面及び次に掲げる書類(その届出に係る変更後の書類をいう。)を添えて、都道府県知事に届け出なければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年経済産業省・環境省令第7号)
一 破砕業者が個人であり、かつ、法第六十八条第一項第一号に掲げる事項に変更があったとき 住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
二 破砕業者が法人であり、かつ、法第六十八条第一項第一号に掲げる事項に変更があったとき 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
三 法第六十八条第一項第三号に掲げる事項に変更があったとき 当該変更に係る事業所に関する第六十条第一項第一号及び第二号に掲げる書類
四 破砕業者が法人であり、かつ、法第六十八条第一項第四号に掲げる役員に関する事項に変更があったとき 当該変更に係る者の住民票の写し、法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類及び登記事項証明書
五 破砕業者が法人であり、かつ、法第六十八条第一項第四号に掲げる使用人に関する事項に変更があったとき 当該変更に係る者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
六 破砕業者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が個人である場合において、法第六十八条第一項第五号に掲げる事項に変更があったとき その法定代理人の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
七 破砕業者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が法人である場合において、法第六十八条第一項第五号に掲げる事項のうち、名称及び住所並びにその代表者の氏名のいずれかに変更があったとき 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
八 破砕業者が未成年者であり、かつ、その法定代理人が法人である場合において、法第六十八条第一項第五号に掲げる事項のうち、役員に関する事項に変更があったとき 当該変更に係る者の住民票の写し、法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類及び登記事項証明書
九 法第六十八条第一項第六号に掲げる事項に変更があったとき 当該変更に係る施設に関する第六十条第一項第一号及び第二号に掲げる書類
十 破砕業者が法人であり、かつ、第六十条第四項第五号に掲げる事項に変更があったとき 当該変更に係る者の有する株式の数又は当該変更に係る者のなした出資の金額を記載した書類並びに当該変更に係る者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類(これらの者が法人である場合には、登記事項証明書)
十一 破砕業者が個人であり、かつ、第六十条第四項第六号に掲げる事項に変更があったとき 当該変更に係る者の住民票の写し及び法第六十二条第一項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類
変更届の内容によって添付する書類が異なります。例を以下に示します。
(1)氏名又は名称の変更
- 様式
- (個人の場合)住民票の写し
- (法人の場合)法人登記事項証明書、定款
(2)役員等の変更
- 様式
- 追加する役員等の住民票、登記されていなことの証明書
- 法人登記事項証明書
(3)施設の概要の変更
- 様式
- 変更後の施設の図面
- 施設の所有権を有する書類
変更届は変更内容によって記載事項や添付書類が異なるので、各自治体の手引きを確認しましょう。
変更手続きを行政書士に頼むメリット・デメリット
ここまで変更手続きのお話をしましたが、行政書士に手続きを依頼するメリット・デメリットを解説します。
メリット
主なメリットは、5つあると考えています。
- 本業に専念できる
- 気軽に相談できる
- 役所に行く手間、時間を省ける
- 他士業の紹介を受けることができる
- 次回の更新手続きまでサポートしてもらえる
行政手続きは、なかなかめんどくさいものです。色々と書類を集める必要があるし、役所に出向かないといけない。
そこをサポートするのが行政書士の役割です。また、一度繋がれば気軽に相談できるパートナーとなります。
デメリット
次に、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
- 費用がかかる
- 行政書士によっては専門外で時間がかかる
やはり、一番は費用面の問題が大きいと思います。
申請手数料に加え、行政書士に支払う報酬がかかってきます。
また、専門としていない行政書士に依頼すると余計に時間がかかったりします。
まとめ
今回は、自動車リサイクル法、破砕業の変更手続きについて説明しました。今回のポイントは、
・変更手続きには、【変更許可】と【変更届】がある
・変更許可は、破砕処理の種類を増やす場合
・変更届は、氏名や住所などの簡単な変更
・行政書士に依頼することでメリットが多い
当事務所は、公務員として自動車リサイクル法の審査をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。
自動車リサイクル法の解体業の変更届や、その他自動車リサイクル法の手続きでお困りの場合は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。