特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可取得!通常許可との違いと申請の注意点
「特別管理産業廃棄物収集運搬業」という言葉を聞いて、「通常の産業廃棄物許可と何が違うの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特別管理産業廃棄物は、爆発性・毒性・感染性など、人の健康や生活環境に特に危害を及ぼすおそれがある廃棄物を指します。そのため、通常の産業廃棄物よりも厳しい基準と手続きが定められています。
このページでは、通常許可との違い・許可取得の流れ・申請時の注意点をわかりやすく解説します。
1. 特別管理産業廃棄物とは?対象品目一覧
特別管理産業廃棄物とは、廃棄物処理法第2条第4項に規定される、爆発性・毒性・感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する産業廃棄物のことです。
主な対象品目は以下のとおりです。
| 区分 | 主な対象品目 |
|---|---|
| 廃油(引火点70℃未満) | 揮発油類・灯油・軽油など |
| 廃酸(pH2.0以下) | 廃硫酸・廃塩酸・廃硝酸など強酸性の廃液 |
| 廃アルカリ(pH12.5以上) | 廃ソーダ液・廃アンモニア液など強アルカリ性の廃液 |
| 感染性産業廃棄物 | 医療機関・研究機関等から排出される血液・注射針・検体など |
| 特定有害産業廃棄物 | PCB廃棄物・廃石綿(アスベスト)・重金属含有廃棄物など |
| 廃PCB等・PCB汚染物 | PCBを含む廃棄物・PCBが付着した廃棄物(トランス・コンデンサ等) |
💡 ポイント
取り扱う廃棄物が上記のいずれかに該当する場合、通常の産業廃棄物収集運搬業許可ではなく、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。両方の廃棄物を扱う場合は、両方の許可が必要になります。
2. 通常許可との違い【比較表】
通常の産業廃棄物収集運搬業許可と、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可の主な違いを比較します。
| 比較項目 | 産業廃棄物 収集運搬業許可 | 特別管理産業廃棄物 収集運搬業許可 |
|---|---|---|
| 対象廃棄物 | 産業廃棄物 | 爆発性・毒性・感染性等の 有害廃棄物 |
| 講習会 | 産業廃棄物の収集運搬課程 | 特別管理産業廃棄物の 収集運搬課程(別途受講) |
| 新規申請手数料(北海道) | 81,000円 | 81,000円(同額) |
| 車両・容器の基準 | 飛散・流出防止基準 | 廃棄物の種類に応じた より厳格な基準 |
| 許可証の有効期間 | 5年間 | 5年間(同じ) |
3. 許可要件(通常との主な相違点)
基本的な許可要件(欠格要件・経理的基礎・施設基準等)は通常許可と共通ですが、特別管理産業廃棄物には以下の上乗せ要件があります。
① 「特別管理」課程の講習会修了が必要
JWセンターが実施する講習会には、通常の産業廃棄物課程とは別に「特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程」が設けられています。申請者(法人の場合は代表者または政令で定める者)がこの特別管理課程を修了していることが要件となります。
通常課程の修了証では代用できません。注意してください。
② 廃棄物の種類に応じた厳格な容器・車両基準
例えば感染性廃棄物であれば密閉できる専用容器(バイオハザードマーク表示)が必要など、廃棄物の性状・危険性に応じた設備基準が定められています。申請前に取り扱う品目の基準を必ず確認してください。
③ 運搬予定の廃棄物のSDSなどの提出
強酸や強アルカリ、引火性の廃油など運搬予定の廃棄物が特別管理産業廃棄物に該当するのかを示すため、SDSなどの提出を求められます。契約予定の排出事業者などから運搬する予定の廃棄物のSDSを入手しましょう。
4. 申請の流れ
基本的な流れは通常許可と同様ですが、講習会の種類が異なる点に注意してください。
特別管理課程の講習会受講・修了
JWセンターの「特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程」を受講し、修了証を取得します。日程・会場は事前にJWセンター公式サイトで確認してください。
要件の確認、SDSの入手
要件を満たす運搬車両や容器を準備します。廃棄物の種類に応じた適切な設備が必要となります。また、運搬予定の廃棄物が特別管理産業廃棄物であることを示すため、排出事業者からSDSを入手します。
必要書類の収集・申請書類の作成
管理責任者の資格証明書類を含む各種書類を準備します。取り扱う廃棄物の品目に応じた施設・車両の書類も必要です。
振興局環境生活課へ申請・手数料納付
事業を行う区域を所管する北海道の振興局に申請書類を提出し、収入証紙で手数料を納付します。事前に窓口へ相談・確認することを強くおすすめします。
審査・補正対応
通常許可より審査項目が多く、補正が求められる場合があります。連絡が来たら速やかに対応しましょう。
許可証の交付・事業開始
許可証が交付されてから事業を開始します。許可前の業務開始は廃棄物処理法違反になります。
5. 必要書類一覧
通常許可の書類に加えて、特別管理産業廃棄物特有の書類が必要です。
通常許可と共通の主な書類
- 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可申請書(北海道様式)
- 定款の写し(法人の場合)
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 役員・申請者の住民票・登記されていないことの証明書
- 直近の財務諸表(決算書)
- 車検証の写し(使用する全車両)
- 事業計画の概要書・施設の概要書・所在地図
特別管理産業廃棄物許可に追加で必要な書類
- 特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程の講習会修了証の写し
- 取り扱う廃棄物の種類に応じた容器・車両の基準適合を示す書類(仕様書・写真等)
🚨 注意
管理責任者の資格証明書は原本確認が求められる場合があります。また、住民票等の公的書類は発行から3ヶ月以内のものが必要です。書類を揃える順序に注意しましょう。
6. 申請手数料
| 区分 | 手数料(収入証紙) |
|---|---|
| 新規許可申請 | 81,000円 |
| 更新許可申請 | 73,000円 |
| 変更許可申請 | 71,000円 |
※ 手数料は通常許可と同額です。北海道収入証紙で納付します。
※ 書類取得費用・行政書士報酬は別途かかります。
7. 申請時の注意点
✅ 講習会は「特別管理課程」を受講すること
最もよくあるミスが、通常の産業廃棄物収集運搬課程の修了証で申請してしまうケースです。特別管理産業廃棄物の許可申請には、必ず「特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程」の修了証が必要です。受講申込の段階で課程を間違えないよう注意してください。
✅ 取り扱う品目を明確にする
特別管理産業廃棄物の中にも複数の品目があり、許可を受けた品目以外は取り扱えません。将来的に取り扱う可能性がある品目は、最初の申請時にまとめて含めておくことをおすすめします(追加には変更許可申請が必要です)。
✅ 通常許可との「二重取得」が必要なケースもある
通常の産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の両方を収集運搬する場合は、それぞれの許可が別々に必要です。一方の許可があっても他方の廃棄物を取り扱うことはできません。
✅ 廃PCB・アスベストは追加の規制あり
PCB廃棄物やアスベスト(廃石綿)を取り扱う場合は、廃棄物処理法のほかにPCB特別措置法や大気汚染防止法など別の法規制も適用されます。該当する廃棄物を扱う予定がある場合は、専門家への相談を強くおすすめします。
✅ 審査期間は余裕をもってスケジュールを立てる
標準処理期間は通常許可と同様に30日とされていますが、書類の確認事項が多いため補正が発生しやすい傾向があります。事業開始予定日から2〜3ヶ月前には準備を開始することを目安にしてください。
8. まとめ
特別管理産業廃棄物収集運搬業許可と通常許可の主な違いを改めて整理すると、以下の3点に集約されます。
- 講習会が「特別管理課程」である必要がある(通常課程とは別物)
- 車両・容器の基準が廃棄物の種類に応じてより厳格
- 運搬予定の廃棄物のSDSを確保する必要性
有害性の高い廃棄物を適正に取り扱うための制度ですので、要件を一つひとつ丁寧に確認することが重要です。
「自分の場合は通常許可でいいのか、特別管理許可が必要なのか判断できない」「要件を満たすか確認したい」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。

