【必見】産業廃棄物処分業の許可証を詳しく解説!
こんにちは、行政書士の橋本です!
今回は、 産業廃棄物処分業の許可証 についてお伝えします。
許可証は、許可を取得した事業者にとって重要なものであるとともに排出事業者にとっても重要です。
許可証の見るべきポイントをわかりやすく解説していきます。
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産業廃棄物処分業の許可証はなぜ交付される?
許可証は交付義務
産業廃棄物処分業の許可申請をすると、提出先の自治体から【許可証】が交付されます。
なぜ許可証が交付されるのか、ご存じでしょうか。
当たり前のことですが、実は許可証の交付は各都道府県の義務になっています。
その記載がある部分が、以下の条文になります。
(産業廃棄物処分業の許可証)
第10条の6 都道府県知事は、法第十四条第六項の規定により産業廃棄物処分業の許可をしたとき、又は法第十四条の二第一項の規定により当該事業の範囲の変更の許可をしたときは、様式第九号(優良産業廃棄物処分業者にあつては、様式第九号の二)による許可証を交付しなければならない。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)
この条文の末尾にあるように「しなければならない。」となっていますので、許可証交付は義務です。
なので、許可を受けたのに許可証が交付されないことはあり得ません。
許可証に様式はある?
そもそも許可証はどのように作成されているのでしょうか。
先ほどの条文に「様式第9号による許可証を交付しなければならない。」とあるので、許可証は様式が定められています。
それでは、許可証のどの部分に何が記載されているのか確認していきましょう。
産業廃棄物処分業の許可証の確認ポイント
実際に許可証の様式を確認しながらチェックポイントを確認していきましょう。
許可証に記入している数字ごとに説明していきます。
① 許可番号
許可証の一番の右端には、許可番号が記入してあります。
この番号は事業者ごとに割り振られた番号で環境省で一元管理されています。なので、許可番号が重複することはありません。
基本的には、下6桁の数字が固有番号という事業者独自の番号です。
この番号を運搬車両の側面のステッカーに記入することになります。
詳細な許可番号の解説は後日、別のブログで説明します。
② 許可証の種類
許可証の種類が記載されています。
【産業廃棄物処分業】なのか【特別管理産業廃棄物処分業】なのかを確認できます。
③ 住所、氏名
許可を取得した事業者の住所や氏名が記載されています。
法人であれば、登記事項証明書の氏名と住所、個人であれば住民票の氏名と住所が記載されます。
個人の場合、自治体によっては屋号を記入する場合もあります。
④ 都道府県知事名
申請書を提出した都道府県知事名が記載されます。
だいたいの自治体は、本庁の許可を地域の事務所に委任している場合が多いので、印の部分は地域事務所の知事印になる場合があります。
⑤ 許可の期限
許可の始まりと終わりが記載されています。
この許可期限内であれば、産業廃棄物の処分を業として行えます。
⑥ 事業の範囲
事業者の許可内容が記載されています。
処分できる産業廃棄物の種類や処理方法などがここに記載されています。
記載内容以外の産業廃棄物は処分することができません。
⑦ 処分施設の情報
産業廃棄物を処分する施設の詳細な情報が記載されます。
ここで、事業者の保有している処理施設の台数や能力などがわかります。
⑧ 許可の条件
産業廃棄物を処分する上での条件が記載されています。
条件とは、例えば木くずの中でも建設廃材のみしか扱わない事業者に対して、【建設廃材に限る。】などの許可の範囲を限定することです。
⑨ 許可更新、変更の履歴
これまでの許可取得の履歴が記載されています。
新規許可から変更許可、更新許可までがここに記載されています。
⑩ 先行許可制度
先行許可制度による許可証提出の有無が記載されています。
先行許可制度とは、申請先の都道府県以外ですでに許可を取得している場合、許可証を提出して一部の添付書類を省略できる制度です。
なお、先行許可制度を採用していない自治体もありますので、申請前に確認が必要です。
許可証の内容を変更するには
許可証に記載されている内容を変更するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
それは、変更する内容によって【変更許可】か【変更届】になります。
許可証の内容を変更するには、変更許可もしくは変更届
基本的には、⑥事業の範囲を変更する場合には【変更許可】が必要です。
③氏名、住所の変更があった場合は、【変更届】が必要です。
なお、法律上、都道府県知事は【変更許可】の場合、許可証を書き換える必要がありますが、【変更届】の場合は書き換える必要はありません。
ただ、それでは排出事業者に確認してもらう場合に説明がつかな場合があります。
そこで、各都道府県の条例で書き換えの規定を設けている場合がほとんどです。
変更手続きについて詳しく確認したい方は、以下の記事を参考にしてください。
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排出事業者の確認ポイントを解説
産業廃棄物を排出する事業者(排出事業者)は、他人にその処理を委託する場合、委託する事業者の許可証を確認する必要があります。
それは、産業廃棄物は、排出事業者の責任によって処理を行わなければならないからです。
産業廃棄物を委託し、ちゃんと処理が完了したことをもって責任を果たしたことになります。
もし、許可証を確認せずに許可を持っていない事業者に産業廃棄物の処分を委託すると排出事業者責任により最悪、罰則が科せられます。
そこで、産業廃棄物の処理を委託する前には許可証を確認しましょう。
確認ポイントを以下にあげます。
・許可証の種類
排出する廃棄物が、産業廃棄物か特別管理産業廃棄物なのか確認を行い、その許可を取得している事業者に委託しましょう。
・都道府県知事名
排出した産業廃棄物の処分先の都道府県の許可があるか確認しましょう。
例えば、排出場所が兵庫県で処分先が大阪府の場合、処分業者が大阪府の許可証も取得しているか確認が必要です。
・事業の範囲
処分を委託する産業廃棄物の種類が記載されているか十分に確認しましょう。
特に気を付けるのは、様々な部品で作られている廃棄物です。
機械などは、金属だけでなく廃プラやガラスなどを含んでいることもあります。
なので、まずは排出する産業廃棄物の部材を確認してその種類を取得しているか確認しましょう。
・許可の条件
処分する産業廃棄物のうち、条件がないのか確認する必要があります。
許可を取得していても何らかの条件で処分できない産業廃棄物があるかもしれません。
・その他
産業廃棄物の処分を委託する場合、契約書と許可証を取得する必要がありますが、許可証の期限切れに注意しましょう。
契約書は、問題ない限り自動更新の文言を記入するはずです。
なので、最低でも5年ごとに委託事業者の許可が失効していないか確認しましょう。
また、自治体によっては、処分先の現地確認を義務付けている場合もあるので排出場所の都道府県の条例には気を付けましょう。
北海道では、条例で処分先の現地確認を義務付けていることに注意!
まとめ
今回は、産業廃棄物処分業の許可証について説明しました。ポイントは、
・許可証は都道府県知事が必ず交付しないといけない
・許可証の内容を変更するには、変更許可もしくは変更届が必要
・排出事業者は、産廃の処理を委託する前に許可証を必ず確認すること
当事務所は、公務員として産業廃棄物収集運搬業の審査をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。
産業廃棄物処分業の申請やその他廃棄物処理法の手続きでお困りの場合は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。