【審査実績あり】自動車リサイクル法フロン回収業とは?登録方法等について解説!
こんにちは、行政書士の橋本です!
今回は、 自動車リサイクル法のフロン回収業 についてお伝えします。
自動車リサイクル法のフロン回収業者になるためには、各都道府県に申請をしなければなりません。
その流れをわかりやすく説明していきます!
関連記事
自動車リサイクル法のフロン回収業者とは
自動車リサイクル法の正式名称は、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」です。
自動車リサイクル法の【フロン回収業者】とは、法律の条文ではどこに記載されているかご存じでしょうか。それは、以下条文になります。
(定義)
第2条
12 この法律において「フロン類回収業」とは、使用済自動車に搭載されている特定エアコンディショナーからフロン類の回収を行う事業をいい、「フロン類回収業者」とは、フロン類回収業を行うことについて第53条第1項の登録を受けた者をいう。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
フロン回収業とは主に次のような行為をすることになります。
引取業者から使用済自動車を引き取りフロンを回収する業者
また、フロン回収業を行うにあたっては、以下条文に基づく登録が必要になります。
(フロン類回収業者の登録)
第53条 フロン類回収業を行おうとする者は、当該業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
原則、フロン回収業を行う者は、登録が必要になります。フロン回収業を行う事業所の都道府県もしくは政令市に申請を行います。
図にすると以下のようなイメージです。フロン回収業者は、引取業者の引き取った使用済自動車からフロン類を回収する重要な役割です。
フロン類は、オゾン層の破壊や温暖化に対して悪影響を及ぼす化学物質です。
(出典:環境省)
資格取得に必要な書類
自動車リサイクル法のフロン回収業がどのようなものか理解した上で、登録を取得するために必要な書類を条文から確認しましょう。
(登録の申請)
第54条 前条第一項の登録を受けようとする者(以下「フロン類回収業登録申請者」という。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 事業所の名称及び所在地
三 法人である場合においては、その役員の氏名
四 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
五 回収しようとするフロン類の種類
六 使用済自動車に搭載されている特定エアコンディショナーからのフロン類の回収の用に供する設備の種類及び能力
七 その他主務省令で定める事項2 前項の申請書には、フロン類回収業登録申請者が第五十六条第一項各号に該当しない者であることを誓約する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号)
また、施行規則に詳細な添付書類が記載されています。
(フロン類回収業者の登録の申請)
第五十条 フロン類回収業登録申請者は、様式第三による申請書に当該フロン類回収業登録申請者が法第五十六条第一項各号に該当しない者であることを誓約する書面及び次に掲げる書類を添えて、都道府県知事に提出しなければならない。
一 フロン類回収業登録申請者が個人である場合においては、住民票の写し
二 フロン類回収業登録申請者が法人である場合においては、登記事項証明書
三 フロン類回収業登録申請者が未成年者である場合においては、その法定代理人の住民票の写し
四 フロン類回収業登録申請者がフロン類の回収の用に供する設備(以下「フロン類回収設備」という。)の所有権を有すること(フロン類回収業登録申請者が所有権を有しない場合には、使用する権原を有すること)を証する書類
五 フロン類回収設備の種類及びその設備の能力を説明する書類2 法第五十四条第一項第七号の主務省令で定める事項は、フロン類回収設備の数とする。
使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年経済産業省・環境省令第7号)
条文を確認すると、かなり書類が多くみえるかもしれないですが、簡単に記載すると以下の書類です。
・申請書様式
・誓約書
・住民票(個人)
・法人登記事項証明書(法人)
・フロン回収設備のカタログ、領収書等
後ほど説明しますが、フロンはいくつか種類があり、機械によって回収できるフロンが異なります。
また、能力によっても記載内容が異なってきますので、フロン回収設備を購入する際は注意が必要です。
申請書様式の記載内容
それでは、申請書の様式に従ってどのように記載していけばいいのか解説していきます。
登録申請なので記載内容はそんなに難しくありません。
(1)氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
フロン回収業を行う者の氏名や会社名を記載します。
(2)事業所の名称及び所在地
フロン回収業者となる者の事業所を記載します。
(3)未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
登録を受ける者が未成年の場合は、法定代理人を記載します。
(4)回収しようとするフロン類の種類
自動車のフロンには、【CFC】と【HFC】があります。回収したいフロン類の種類を記載します。
(5)フロン類回収設備の種類、能力及び台数
回収するフロンに適した設備を持っているか確認されます。特定のフロンのみ回収する場合以外は、【CFC】、【HFC】いずれも回収できる設備で200g/min以上の能力のものがよいでしょう。
(6)誓約書
登録できない場合に該当しない旨の誓約書を確認し、氏名や住所を記載します。
なお、登録できない場合とは主に以下の場合です。
・心身の故障によりその業務を適切に行うことができない者として主務省令で定める者又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
・この法律、フロン類法若しくは廃棄物処理法又はこれらの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
・フロン回収業の登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者
・フロン回収業者で法人であるものが第51条第1項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前30以内にその引取業者の役員であった者でその処分のあった日から二年を経過しないもの
・フロン回収業の事業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
・フロン回収業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記のいずれかに該当するもの
・法人でその役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
フロン回収業者の義務
フロン類回収業者には、法律で定められた義務があります。それを説明していきます。
● フロン類回収業者の引取義務(法第11条)
フロン類回収業者は、引取業者から使用済自動車の引取りを求められたときは、当該使用済自動車を引き取らなければならない。
● フロン類の回収義務(法第12条)
使用済自動車を引き取ったときは、その使用済自動車に搭載されている特定エアコンディショナーからフロン類を回収しなければならない。
● フロン類の引渡義務(法第13条)
フロン類を回収したときは自動車製造業者等に引き渡さなければならない。
● 使用済自動車の引渡義務(法第14条)
使用済自動車のフロン類を回収したときは、速やかに解体業者に引き渡さなければならない。
● 移動報告の義務(法第81条)
① 使用済自動車を引き取ったとき
② 解体業者に使用済自動車を引き渡したとき
以上の場合には,自動車リサイクルシステムにより情報管理センターへの移動報告を行うこと。
● 標識の表示(法第51条)
事業所ごと、公衆の見やすい場所にフロン回収業者であることを示す事項、氏名又は名称、回収しようとするフロン類の種類、登録番号を記載した標識(縦及び横それぞれ20cm以上)を掲げること。
まとめ
今回は、自動車リサイクル法のフロン回収業の登録方法について説明しました。ポイントは、
・フロン回収業を始めるには登録が必要
・必要書類は各都道府県の手引きを確認する
・フロン回収業には様々な義務が生じる
当事務所は、公務員として自動車リサイクル法の審査をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。
フロン回収業の手続きやその他自動車リサイクル法の手続きでお困りの場合は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。