再資源化事業等高度化法によって廃棄物の処理の流れが変わるのか(その2)
前回は再資源化事業等高度化法の制定に至った経緯や法律の概要を説明しました。今回は、再資源化事業等高度化法がどのような法律なのかさらに深堀していきます。
1.再資源化事業等高度化法の構成
再資源化事業等高度化法は、主に「基本方針の策定」「再資源化の促進」「再資源化事業等の高度化の推進」の3つの柱で構成されています。本記事では、このうち「再資源化の促進」および「再資源化事業等の高度化の推進」について詳しく解説していきます。

2.廃棄物処分業者の判断基準と報告・公表制度
まずは、「再資源化の促進」に関する制度です。本法は、資源循環の高度化を目的としており、廃棄物業界全体の再資源化水準を底上げするため、資源循環産業のあるべき姿に関する判断基準を国が廃棄物処分業者に示しています。
この判断基準には、再資源化に関する参考情報が記載されていますが、特に重要なのが、【再資源化の実施状況の報告・公表制度】です。具体的には、毎年6月30日までに環境大臣に産業廃棄物の種類や処分方法、数量、再資源化の数量などを報告する必要があります。ただし、すべての処分業者が対象となるわけではなく、以下の要件を満たす事業者に限定されています。
| ①当該年度の前年度において処分を行った産業廃棄物の数量が10,000トン以上 ②当該年度の前年度において処分を行った廃プラスチック類の数量が1,500トン以上 |
報告された内容は、環境大臣によって公表されます。この制度の狙いは、製造業者などの動脈産業が再資源化状況を把握し、産廃業者の「動静脈連携(マッチング)」の創出を期待しています。 もっとも、日本では中小企業が大多数を占めており、自らの廃棄物の再資源化を期待して処分業者を決めることは考えにくいと思いますので、公表したところでマッチングが盛んに行われるかは疑問が残ります。単に処分業者の事務義務が増えただけにならないよう、環境省には積極的な情報発信と実効性のある運用を期待したいところです。

3.再資源化事業等の高度化の3つの類型の認定制度
本法の最大の注目点が、「再資源化事業等の高度化」に関する認定制度です。本制度は、①高度再資源化事業、②高度分離・回収事業、③再資源化行程の高度化の3つの類型で構成されています。それぞれ特徴が異なりますが、本記事では概要のみを簡潔にご紹介し、詳細は次回解説します。
- 高度再資源化事業
本事業は、廃棄物を製造業者が必要とする質・量の再生材を確保するため広域的な分別収集・再資源化の事業を促進する目的があります。本事業の認定を取得することで廃棄物処理法における業や施設の許可が不要となる特例を受けることが可能となるほか、廃棄物処理法で禁止されている再委託が可能となります。
- 高度分離・回収事業
先ほどの事業との違いは、環境省が指定する廃棄物の再資源化を促進するところにあります。本事業の認定も、高度再資源化事業と同じく業や施設の許可が不要となる特例があります。施行時において指定されている廃棄物は、「太陽電池」「リチウムイオン蓄電池」「ニッケル水素電池」の3種類となっています。
- 再資源化行程の高度化
最後の事業は、これまでの2つの認定事業と異なり、既存の許可業者に適用される事業となっています。すでに設置されている廃棄物処理施設において、温室効果ガスの排出量の十分な削減が見込まれる設備の更新等を促進する事業になります。

