廃棄物処理法で不適正スクラップヤードの規制が強化?|事業者が今知るべきポイント
現在、環境省において廃棄物処理法の改正に向けた議論がされています。
法改正の主な論点としては、スクラップヤード規制、PCB廃棄物、災害廃棄物が挙げられていますが、このうちスクラップヤード規制について、廃棄物処理法の大幅な見直しが行われる見込みとなっています。
| 環境省は17日、使用済みの金属やプラスチックなどのスクラップを屋外で保管する「ヤード」について、事業を許可制とする方針を固めた。不適正な保管により騒音や火災、土壌汚染といった環境問題が生じる事例が相次いでおり、規制を強化。中央環境審議会の小委員会で方向性を取りまとめ、来年の通常国会に廃棄物処理法改正案を提出することを目指す。 【出典】2025年12月18日 時事通信社 スクラップ保管、許可制へ 「ヤード」規制強化―環境省方針 |
先日開催された第8回の審議会の資料を基に、不適正スクラップヤードに対して、今後どのような対策が行われるのかを確認します。まずは、規制の背景から整理します。
不適正スクラップヤードの対策としては、平成29年の法改正により、有害使用済機器保管等届出制度が創設されました。これにより、該当する機器の保管又は処分を業として行う場合に届出が義務付けられました。
下図のとおり、廃棄物処理法において「廃棄物」ではなく「有価物」となるものを規制の対象とした点が思い切った改正であったのではありますが、廃棄物処理業のような許可制ではないことや、届出制度の対象外の金属スクラップ等の不適正な保管により問題の根本的な解決に至っていないのが現状です。

こうした状況を受け、一部の自治体では、条例により廃棄物処理法で規制できない不適正ヤードを規制しています。しかし、条例のない自治体などでは、その対応に苦慮している実態が見られます。
環境省がまとめた以下資料にあるとおり、有価物と称される金属スクラップなどが周辺環境へ影響を及ぼす事態となっていました。

環境省が令和7年度に実施した自治体に対する実態調査において、不適正スクラップヤードは全国で4,625件確認されています。

地域別では、関東地方が最も多く、北海道では21件となっています。なお、把握方法は、立入検査、パトロール、通報・苦情等による調査であるため、潜在的にはさらに多くの事業者が北海道にも存在する可能性も考えられます。
また、この調査により判明した生活環境保全上の支障としては、騒音・振動の発生が最も多く、続いて飛散・流出、火災などがあげられています。
このように廃棄物処理法の規制が及ばない不適正スクラップヤードにおいて、不適正な処理に起因する生活環境保全上の支障が顕在化していることから、法改正に向けた審議会においても、委員から制度設計を検討し、速やかな法改正に取り組むべきとの意見が出ていました。
こうした状況を踏まえ、先日開催された第8回の審議会では、スクラップヤード規制に関する見直しの方向性が以下のとおり示されました。

先日、環境省から公表された「今後の廃棄物処理制度のあり方について(意見具申)(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について」には、不適正スクラップヤード対策について、以下のとおり記載されています。

赤字で示した部分が今回の法改正に盛り込む内容を示した部分です。「廃棄物に該当しない、雑品スクラップや使用済鉛蓄電池等の保管・処分を業として行う場合にも許可制などの事前審査制度の導入が必要である。」と記載されていますが、規制の方法が許可なのか登録なのか届出なのかその内容は判然としません。
現時点で、直ちに許可制の導入が確定しわけではありませんが、不適正スクラップヤードに関しては、何らかの形で規制が強化されることが想定される状況にあります。今後も法改正の状況に注視し、逐一情報をお届けできるようにします。

