産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告書の提出はお済ですか?
産業廃棄物を処理する際は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を使用する必要があります。
マニフェストの保存義務があることは、前回の投稿(2024年11月7日付「産業廃棄物を処理した際のマニフェストの保管期間は?」)で解説しましたが、マニフェストの報告書とはどんなものなのでしょうか。
1.産業廃棄物管理票等状況報告書とは?
産業廃棄物を処理する際、他人にその処理を委託する場合はマニフェストが必要となります。
マニフェストを交付し、そのマニフェストを保存する必要があることをご存じの方は多いと思います。
それでは、マニフェストの報告とはどこに記載があるのか、確認しましょう。
(産業廃棄物管理票)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)
廃棄物処理法第12条の3
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票を交付しなければならない。
(中略)
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の条文に報告書を作成して都道府県に提出しなければならないと記載されています。
それでは、条文を深堀りしていきましょう。
2.報告書の義務者は?
それでは、マニフェスト報告書の報告義務者は誰なのでしょうか。
先ほどの条文にもあるとおり報告義務者は「管理票交付者」です。つまり、マニフェストを使用して産業廃棄物を処理した排出事業者の全てに提出義務があります。
1枚でもマニフェストを使用した際は、この報告の義務となります。
さらに、規則を確認しましょう。
(管理票交付者の報告書)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)
廃棄物処理法施行規則第8条の27
法第12条の3第7項の規定による管理票に関する報告書は、産業廃棄物を排出する事業場ごとに、毎年6月30日までに、その年の3月31日以前の一年間において交付した管理票の交付等の状況に関し、様式第三号により作成し、当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事に提出するものとする。
この条文には以下3つの要点があります。
・事業場ごと
・4月1日~3月31日の1年間に交付した管理票の状況
・6月30日までに提出
報告の提出期間を図示すると次のようになります。

受付時間:9:00〜20:00 [土日祝除く]
24時間受付中
3.電子マニフェストの場合は提出不要
マニフェストを交付した者は、マニフェストの交付状況を報告しないといけないと説明しました。
しかし、マニフェスト報告書の提出が不要とされている場合があります。
これまで説明してきた規定は紙のマニフェストを使用した場合に限られます。電子マニフェストを利用している場合は、報告の必要はありません。
電子マニフェストを運営している日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が都道府県知事等に報告を行いますので、排出事業者が自ら報告する必要はありません。
JWセンターがわかりやすい図を作成してくれていますので、次に示します。

4.まとめ
今回は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告書について説明しました。ポイントは、以下のとおりです。
・産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告書は管理票交付者(排出事業者など)
・報告期間は4月1日~3月31日までの1年間
・報告期限は6月30日
・電子マニフェストを利用した場合は提出不要
マニフェスト報告は忘れられやすい規定ですが、マニフェスト交付者の義務ですので、忘れることなく提出しましょう。
当事務所は、公務員として産廃の排出事業者の指導をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。
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