【徹底解説】産業廃棄物収集運搬業の変更手続き | 手続きの種類や条件とは?

こんにちは、行政書士の橋本です。

今回は、 産業廃棄物収集運搬業の変更手続き についてお伝えします。

変更手続きといっても、変更許可なのか変更届なのか、手続きの内容によって変わってきます。

それでは、産業廃棄物収集運搬業の変更手続きにはどのような種類や条件があるのでしょうか。

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変更手続きの種類について

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後に、何か変更が生じると変更の手続きが必要です。

変更手続きには大きく分けて【変更許可】と【変更届】の2種類あります。

それでは、具体的にそれぞれの条件を確認しましょう。

変更手続きの具体的な条件

変更手続きが2種類あることはわかりましたが、具体的にはどのような場合に変更が必要なのでしょうか。

【変更許可】と【変更届】のそれぞれの条件について確認していきましょう。

変更許可

変更許可が必要な場合とは、どのような場合でしょうか。

届出ではなく、許可なので申請をして変更許可を得るまでは変更できません。

法律ではどのように記載されているのでしょうか。以下に抜粋します。

(変更の許可等)

第14条の2 産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者は、その産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業の範囲を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が事業の一部の廃止であるときは、この限りでない。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)

・・・・え?それだけ???と思われた方が多いのではないでしょうか。

変更許可の条文はこれだけです。じゃあ、事業の範囲の変更ってなんなの?ってなりますよね。

それは主に以下の変更事項が該当します。

  • 産業廃棄物の種類を追加する場合
  • 石綿や水銀を【含まない。】から【含む。】にする場合
  • 【積替え保管なし】から【積替え保管あり】にする

要するに、今許可を持っている事業の範囲を越える活動を行う場合、変更許可が必要となります。

変更届

続いて、変更届が必要な場合とはどのような場合でしょうか。こちらも法律を確認しましょう。

(積替え保管は省略します。)

(変更の許可等)

第14条の2

 第七条の二第三項から第五項までの規定は、産業廃棄物収集運搬業者及び産業廃棄物処分業者について準用する。この場合において、同条第三項中「一般廃棄物の」とあるのは「産業廃棄物の」と、「市町村長」とあるのは「都道府県知事」と、同条第四項中「前条第五項第四号ロからトまで又はリからルまで(同号リからルまでに掲げる者にあつては、同号イ又はチ」とあるのは「第十四条第五項第二号イ(前条第五項第四号イ又はチに係るものを除く。)又は第十四条第五項第二号ハからホまで(前条第五項第四号イ若しくはチ又は第十四条第五項第二号ロ」と、「市町村長」とあるのは「都道府県知事」と、同条第五項中「前条第五項第四号リ」とあるのは「第十四条第五項第二号ハ」と、「同号ヌ」とあるのは「同号ニ」と、「同号ル」とあるのは「同号ホ」と、「同号イ」とあるのは「同号イ(前条第五項第四号イに係るものに限る。)」と読み替えるものとする。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)

変更許可よりもわけわからん!!!というツッコミが入りそうですね。

変更届は、一般廃棄物収集運搬業許可の変更手続きの条文を準用しています。

なので、こんなややこしい書き方になっています。

では、準用通り条文を変更してみましょう!

(変更の許可等)

(第7条の2) (太字部分は準用後の文言)

 産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者は、その産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業の全部若しくは一部を廃止したとき、又は住所その他環境省令で定める事項を変更したときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)

太字で示したところが準用後の文言に修正したものです。

注目するのは、赤字部分でこの部分が変更届が必要な場合になります。

さらに詳しく環境省令を読み解くと具体的な内容の記載があります。

(産業廃棄物処理業に係る変更の届出等)

第十条の十 法第十四条の二第三項において準用する法第七条の二第三項の規定による環境省令で定める事項は、次のとおりとする。

 氏名又は名称
 法第十四条第一項又は第六項の許可を受けた者に係る次に掲げる者
 イ 法第十四条第五項第二号ハに規定する法定代理人
 ロ 役員
  発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者
 令第六条の十に規定する使用人
 事務所及び事業場の所在地(住所を除く。)
 事業の用に供する施設(運搬容器その他これに類するものを除く。)並びにその設置場所及び構造又は規模
 産業廃棄物収集運搬業者にあつては、積替え又は保管の場所に関する次に掲げる事項
  所在地
 
 面積
 
 積替え又は保管を行う産業廃棄物の種類(当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨を含む。)
 
 積替えのための保管上限
 
 第一条の六の規定の例による高さのうち最高のもの

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)

変更許可よりも具体的ですごくわかりやすい条文ですね!

ちゃんと変更手続きが必要な場合が記載してあります。

条文では少しわかりにくいと思うので変更届が必要な場合を以下にまとめておきます。

  • 事業を廃止する場合
  • 氏名又は名称を変更する場合
  • 役員等の変更があった場合
  • 運搬車両や運搬容器の追加や削除があった場合
  • 運搬車両の保管場所の駐車場所が変わった場合

(積替え保管は省略します。)

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変更手続きの必要書類

それでは、実際に産業廃棄物収集運搬業の変更手続きにはどのような書類が必要となるのでしょうか。

【変更許可】と【変更届】で必要書類が異なるため、分けて確認していきましょう。

変更許可の必要書類

まずは変更許可の必要書類ですが、法律を確認しましょう。

(産業廃棄物処理業の事業範囲の変更の許可の申請)

第10条の9 法第十四条の二第一項の規定により産業廃棄物収集運搬業又は産業廃棄物処分業の事業の範囲の変更の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した様式第十号による申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  許可の年月日及び許可番号
  変更の内容
  変更の理由
  変更に係る事業の用に供する施設の種類、数量、設置場所、設置年月日及び処理能力
  変更に係る事業の用に供する施設について産業廃棄物処理施設の設置の許可を受けている場合には、当該許可の年月日及び許可番号
  変更に係る事業の用に供する施設の処理方式、構造及び設備の概要
  第九条の二第一項第七号から第十号までに掲げる事項
 第九条の二第二項(第十五号に係る部分を除く。)、第三項及び第六項から第九項までの規定は、産業廃棄物収集運搬業の事業の範囲の変更の許可の申請について準用する。この場合において、同条第二項第一号中「事業計画」とあるのは「変更後の事業計画」と、同項第二号、第四号及び第五号中「事業」とあるのは「変更に係る事業」と、同条第六項中「次条各号」とあるのは「第九条の三各号」と、同条第七項中「(申請者が優良産業廃棄物収集運搬業者に該当するものとして法第十四条第二項の許可の更新を受けようとする者である場合にあつては、直前の二事業年度)に係る」とあるのは「に係る」と、同条第八項中「この項」とあるのは「第九条の二第八項」と、同条第九項中「許可の更新を申請する者」とあるのは「申請者」と読み替えるものとする。
 第十条の四第二項(第九号に係る部分を除く。)及び第五項から第八項までの規定は、産業廃棄物処分業の事業の範囲の変更の許可の申請について準用する。この場合において、同条第二項第一号中「事業計画」とあるのは「変更後の事業計画」と、同項第二号、第六号及び第七号中「事業」とあるのは「変更に係る事業」と、同条第五項中「次条各号」とあるのは「第十条の四の二各号」と、同条第六項中「(申請者が優良産業廃棄物処分業者に該当するものとして法第十四条第七項の許可の更新を受けようとする者である場合にあつては、直前の二事業年度)に係る」とあるのは「に係る」と、同条第七項中「この項」とあるのは「第十条の四第七項」と、同条第八項中「許可の更新を申請する者」とあるのは「申請者」と読み替えるものとする。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)

施行規則に詳細に記載がありますが、簡単に内容を抽出すると以下書類です。

  • 申請書様式
  • 講習会修了証の写し
  • 住民票の写し
  • 登記されていないことの証明書
  • (個人の場合)資産に関する調書、直前3年の所得税納税証明書
  • (法人の場合)定款、直前3年の財務諸表、納税証明書

大まかにこのような書類です。各自治体によって異なる場合があるので申請の際は確認をお願いします。

変更届の必要書類

次に、変更届の必要書類です。こちらも法律を確認しましょう。

(産業廃棄物処理業に係る変更の届出等)

第10条の10

 前項の変更に係る届出書には、次に掲げる書類及び図面を添付するものとする。
 第一項第一号に掲げる事項の変更の場合には、個人にあつては住民票の写し及び法第十四条第五項第二号イ(法第七条第五項第四号イに係るものに限る。次号において同じ。)に該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類、法人にあつては定款又は寄附行為及び登記事項証明書
 第一項第二号に掲げる事項の変更の場合には、同号イからニまでに掲げる者(当該変更に係る者に限る。)の住民票の写し及び法第十四条第五項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類(第一項第二号イに掲げる法定代理人が法人である場合には、その登記事項証明書並びに役員の住民票の写し及び法第十四条第五項第二号イに該当しないかどうかを審査するために必要と認められる書類。第一項第二号ハに掲げる株主又は出資をしている者が法人である場合には、登記事項証明書)並びに法人にあつては登記事項証明書(同号ロに掲げる事項の変更の場合に限る。)
 第一項第三号に掲げる事項及び住所の変更の場合には、変更後の事務所及び事業場の付近の見取図
 産業廃棄物収集運搬業者に係る第一項第四号又は第五号に掲げる事項の変更の届出については、当該変更に係る施設に関する第九条の二第二項第二号及び第三号に規定する書類及び図面
 産業廃棄物処分業者に係る第一項第四号又は第六号に掲げる事項の変更の届出については、当該変更に係る施設に関する第十条の四第二項第二号及び第三号に規定する書類及び図面
 第一項第七号に掲げる事項の変更の届出(新たに積替え許可を受けた場合においてするものに限る。)については、当該積替え許可に係る第十条の二に規定する許可証の写し

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)

変更届の内容によって添付する書類が異なります。例を以下に示します。

(1)氏名又は名称の変更

  • 様式
  • (個人の場合)住民票の写し
  • (法人の場合)法人登記事項証明書、定款

(2)役員等の変更

  • 様式
  • 追加する役員等の住民票、登記されていなことの証明書
  • 法人登記事項証明書

(3)住所の変更

  • 様式
  • 変更後の事務所、事業場の付近見取り図

(4)運搬車両の変更

  • 様式
  • 追加する車両の車検証

変更届は変更内容によって記載事項や添付書類が異なるので、各自治体の手引きを確認しましょう。

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変更手続きを行政書士に頼むメリット・デメリット

ここまで変更手続きのお話をしましたが、行政書士に手続きを依頼するメリット・デメリットを解説します。

メリット

主なメリットは、5つあると考えています。

  1. 本業に専念できる
  2. 気軽に相談できる
  3. 役所に行く手間、時間を省ける
  4. 他士業の紹介を受けることができる
  5. 次回の更新手続きまでサポートしてもらえる

行政手続きは、なかなかめんどくさいものです。色々と書類を集める必要があるし、役所に出向かないといけない。

そこをサポートするのが行政書士の役割です。また、一度繋がれば気軽に相談できるパートナーとなります。

デメリット

次に、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

  1. 費用がかかる
  2. 行政書士によっては専門外で時間がかかる

やはり、一番は費用面の問題が大きいと思います。

申請手数料に加え、行政書士に支払う報酬がかかってきます。

また、専門としていない行政書士に依頼すると余計に時間がかかったりします。

まとめ

今回は、産業廃棄物収集運搬業の変更手続きについて説明しました。今回のポイントは、

・変更手続きには、【変更許可】と【変更届】がある
・変更許可は、運搬する廃棄物の種類の変更
・変更届は、氏名や車両などの変更

当事務所は、公務員として産業廃棄物収集運搬業の審査をしていた経験を活かし、お客様を全力でサポートします。

産業廃棄物収集運搬業の変更許可や変更届やその他廃棄物処理法の手続きでお困りの場合は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。

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