北海道で産廃収集運搬業の許可を取る方法【元審査員の行政書士が解説】

「産廃の許可を取りたいけど、何から手をつければいいかわからない」「書類が多くて自分でできるか不安」——そんなお悩みをよく耳にします。
筆者はかつて北海道庁で産業廃棄物処理業の審査を担当していた行政書士です。審査する側の経験から、申請が通りやすいポイント・つまずきやすい落とし穴を熟知しています。
この記事では、北海道で産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するための手順を、わかりやすく解説します。
そもそも産廃収集運搬業の許可とは?
産業廃棄物収集運搬業とは、簡単に説明すると事業活動から出る廃棄物(産業廃棄物)を集めて運ぶ事業のことです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)により、この事業を行うには都道府県知事の許可が必要と定められています。
北海道を拠点に営業する場合、原則として北海道知事の許可を取得します。なお、運搬ルートが複数の都道府県をまたぐ場合は、積込み・荷下ろしを行うそれぞれの自治体から許可を受ける必要があります。
無許可営業のリスク:許可なく産廃収集運搬を行うと、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)が科される可能性があります。法人の場合は3億円以下の罰金となる場合もあります。許可取得は必須です。
北海道で許可を取るための5つの要件
申請が受理されるためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けると許可が下りません。
① 欠格要件に該当しないこと
申請者(法人の場合は役員全員)が次のいずれにも該当しないことが必要です。
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行が終わってから5年を経過していない者
- 廃棄物処理法・暴力団対策法などに違反して罰金刑に処せられてから5年を経過していない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなってから5年を経過していない者
- 過去に許可を取り消されてから5年を経過していない者
② 財産的基礎があること
事業を適正に行うための財産的基礎(資金力)があることが求められます。具体的には、直近の決算書で純資産がプラスであること、または事業計画書等で継続的な事業遂行が可能であることを示す必要があります。新設法人や個人事業主の場合は特に注意が必要です。
③ 講習会を受講していること
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程」の講習会を修了し、修了証を取得している必要があります。
修了証には有効期限(5年)がありますので、期限内に申請することが重要です。受講者は、原則申請者の役員もしくは本人(個人事業主の場合)である必要があります。
④ 適切な運搬車両・容器があること
使用する車両は車検証で確認できるものでなければなりません。
また、廃棄物が飛散・流出しない構造の荷台や容器が必要です。軽自動車でも許可の対象になりますが、運搬できる廃棄物の種類に応じた設備が求められます。
⑤ 事務所(主たる事業場)があること
事業を行う主たる拠点(事務所)が北海道内にあることが必要です。
自宅兼事務所でも認められるケースがありますが、その場合は平面図等で確認できる形にしておく必要があります。
申請の流れ(ステップ別)
許可取得の大まかな流れは以下のとおりです。
STEP 1 講習会の申込・受講
JWセンターのWebサイトから講習会に申込みます。北海道内での開催は年数回のため、早めに日程を確認しましょう。講習は1〜2日間で、修了試験に合格すると修了証が発行されます。
STEP 2 必要書類の収集・作成
申請書類は30点以上になることもあります。登記事項証明書、定款、財務諸表、車検証、運搬容器の写真、駐車場及び事務所の位置図などを揃えます。
STEP 3 北海道庁への申請
作成した書類を北海道庁(事務所が所在する管轄の各振興局)の窓口に提出します。書類に不備があると補正指示が出るため、事前確認が重要です。
STEP 4 審査・許可証の受領
標準処理期間は申請受理から30日です。審査を通過すると許可証が交付されます。許可証を受け取ったら、車両への表示義務(産廃マーク等)も忘れず対応しましょう。
北海道特有の注意点(元審査員の視点から)
審査担当者として多くの申請を見てきた経験から、つまずきやすいポイントをお伝えします。
- 取得する産廃の種類ミス:運搬したい産廃の種類を間違えると、排出事業者から産廃を引き取れません。許可後、新たに産廃の種類を取得するには変更許可が必要で、新たな許可取得に時間を要する上に申請には手数料が必要なので余分なお金までかかります。
- 書類の記載ミス・添付漏れ:申請書類は多岐にわたるため、チェックリストなしで揃えると必ずといっていいほど漏れが出ます。特に「法人の登記と定款の記載事項の一致」は確認漏れが多いポイントです。
- 車両の使用権原不備:登録する運搬車両は自社の車両もしくは借りている車両である必要があります。他社から車両を借り上げる場合は、車両の所有者及び使用者からの賃貸契約書や使用貸借契約書を添付する必要があります。
- 財産的基礎の証明が不十分:新設法人の場合、直近の決算がないため、説明資料の提出が求められます。書式が要件を満たしていないケースが散見されます。
- 講習会の修了証の期限切れ:申請準備中に修了証の有効期限が切れてしまうケースがあります。余裕をもったスケジュール管理が必要です。
- 広大な北海道での管轄振興局の確認:北海道は広域のため、申請窓口となる振興局が事務所の所在地によって異なります。誤った窓口に提出すると差し戻されます。
費用と期間の目安
自分で申請する場合の費用・期間の目安は以下のとおりです(行政書士への依頼費用は別途)。
- 講習会受講料(テキスト代込み):約22,000円
- 申請手数料(新規許可):81,000円(北海道)
- 各種証明書取得費用:数千円〜
- 標準処理期間(審査期間):申請受理から約30日
申請窓口:北海道の管轄振興局一覧
産廃収集運搬業の申請窓口は、事務所(主たる事業場)の所在地を管轄する振興局の環境生活課です。北海道には以下の14の振興局があります。自分の事業所がどこの管轄か、事前に必ず確認しましょう。
- 石狩振興局(札幌市・江別市・千歳市・恵庭市・北広島市・石狩市・当別町・新篠津村)
- 空知総合振興局(岩見沢市・美唄市・芦別市・赤平市・三笠市・滝川市・砂川市・歌志内市・深川市・南幌町ほか)
- 後志総合振興局(小樽市・倶知安町・ニセコ町・余市町・積丹町ほか)
- 胆振総合振興局(室蘭市・苫小牧市・登別市・伊達市・洞爺湖町・壮瞥町ほか)
- 日高振興局(浦河町・様似町・えりも町・新ひだか町・日高町・平取町・新冠町)
- 渡島総合振興局(函館市・北斗市・七飯町・鹿部町・森町・八雲町・長万部町ほか)
- 檜山振興局(江差町・上ノ国町・厚沢部町・乙部町・奥尻町・今金町・せたな町)
- 上川総合振興局(旭川市・富良野市・名寄市・士別市・和寒町・剣淵町・下川町・美瑛町ほか)
- 留萌振興局(留萌市・増毛町・小平町・苫前町・羽幌町・初山別村・遠別町・天塩町)
- 宗谷総合振興局(稚内市・猿払村・浜頓別町・中頓別町・枝幸町・豊富町・礼文町・利尻町・利尻富士町・幌延町)
- オホーツク総合振興局(網走市・北見市・紋別市・大空町・佐呂間町・遠軽町・湧別町・滝上町・興部町・西興部村・雄武町)
- 十勝総合振興局(帯広市・音更町・士幌町・上士幌町・鹿追町・新得町・清水町・芽室町・中札内村・更別村・大樹町・広尾町・幕別町・池田町・豊頃町・本別町・足寄町・陸別町・浦幌町)
- 釧路総合振興局(釧路市・釧路町・厚岸町・浜中町・標茶町・弟子屈町・鶴居村・白糠町)
- 根室振興局(根室市・別海町・中標津町・標津町・羅臼町)
よくある質問(FAQ)
Q. 北海道外に荷下ろしする場合はどうなりますか?
その荷下ろし先の都道府県の許可も必要です。たとえば北海道から青森県に廃棄物を運ぶ場合、北海道と青森県の両方の許可を取得しなければなりません。複数県にまたがる事業を予定している方は、まとめて申請のご相談をすることをお勧めします。
Q. 軽自動車でも許可は取れますか?
取れます。軽トラックや軽バンでも申請可能ですが、廃棄物の飛散・流出防止措置が施されている必要があります。車両写真や構造説明書を提出する際に、この点を明確に示してください。
Q. 許可の更新はいつ行えばよいですか?
産廃収集運搬業の許可の有効期限は5年間です。期限が切れる前に更新申請が必要で、更新にも講習会の修了証(有効期限内)が必要です。期限切れにならないよう、余裕をもって準備しましょう。
Q. 自分で申請することは難しいですか?
書類の種類が多く、記載内容の細かなルールもあるため、初めての方にとっては難易度が高いといえます。補正(書類の差し戻し)が発生すると審査が長引くため、スムーズに進めたい場合は専門家への相談をご検討ください。
まとめ
北海道で産廃収集運搬業の許可を取得するためのポイントを整理すると、次の3点に集約されます。
- 5つの要件(欠格要件・財産的基礎・講習会修了・車両・事務所)をすべて満たすこと
- 書類の抜け漏れ・ミスを防ぐために、早めに準備を進めること
- 講習会の修了証の有効期限と申請タイミングを合わせること
「書類の準備が大変そう」「補正なくスムーズに許可を取りたい」という方は、元審査員の行政書士に一度ご相談ください。許可取得の見通しを整理するだけでも、不安が大きく軽減されることが多いです。
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