産廃処理施設で事故が発生した際の対応

ニュースで「産業廃棄物処理施設で事故がありました。」と報じられるとどんな印象をもつでしょうか。

火災が起きた産業廃棄物処理施設のイメージ
※画像はイメージです。

・ちゃんと安全に操業していたのか
・事故で周辺に影響はないのか
・そんな処理をしているとは知らなかった

もちろん、いいイメージは持たれないので産業廃棄物処分業者にとって産廃処理施設の事故はできれば避けたいものです。
産廃処理を行う工場で火事が発生したとのこんな記事がありました。

3日夜、津市の産業廃棄物の処理を行う工場で火事があり、消火活動が続いています。
警察などによりますと、けが人や逃げ遅れた人はいないということです。


【出典】2025年3月4日 NHK 「津 産業廃棄物処理工場で火事 けが人なし 消火活動続く

この記事だけでは火事となった施設が許可が必要な産業廃棄物処理施設かはわかりません。
もし事故にあった施設が許可の必要な産業廃棄物処理施設であった場合、施設の所有者である産廃処分業者はどうしないといけないのでしょうか。

まず、事故があった場合は消防や救急に連絡するのはもちろんのことですが、廃棄物処理法では次のとおり定めています。

(事故時の措置)
第21条の2 一般廃棄物の処理施設又は産業廃棄物の処理施設で政令で定めるもの(以下この項において「特定処理施設」という。)の設置者は、当該特定処理施設において破損その他の事故が発生し、当該特定処理施設において処理する一般廃棄物若しくは産業廃棄物又はこれらの処理に伴つて生じた汚水若しくは気体が飛散し、流出し、地下に浸透し、又は発散したことにより生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続くその支障の除去又は発生の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する者が同項に規定する応急の措置を講じていないと認めるときは、その者に対し、当該応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)

事故が発生し、施設から汚水や気体が飛散、流出、地下浸透、発散したことで生活環境保全上の支障が生じる場合やそのおそれがある場合は、都道府県知事へ届出を行う必要あります。
特に、産業廃棄物処理施設の中でも「焼却施設」や「溶融施設」「中和施設」などは事故が生じると生活環境保全上の支障が生じやすいと言えます。

また、2項にあるとおり都道府県知事は応急措置を命じることができ、この命令に従わなかった場合、罰則が適用されることになります。

第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50円以下の罰金に処する。
(中略)
七 第21条の2第2項の規定による命令に違反した者

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)

事故が起きて届出をしなかったからといって罰則の対象となるわけではないですが、事故が起きた場合は速やかに管轄の自治体に連絡して指示を受けるようにしておきましょう。

受付時間:9:00〜20:00  [土日祝除く]

24時間受付中