廃棄物該当性を考える 〜手元三角とは〜
こんにちは。はしもと行政書士事務所の橋本です。
今回は、廃棄物該当性を考える上で重要な「手元三角」についてお伝えします。
手元三角と言葉だけ聞いても、イメージのわく方は少ないと思います。
廃棄物を取り扱う上で有名な言葉ですのでぜひこの機会に覚えておいてください。
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手元三角の言葉の意味
手元三角とは、「手元が△(三角)になる。」ことです。
経理書面を扱う方や、数字の計算をされる方は気づいたかもしれませんが、この「△(三角)」は数字が「ー(マイナス)」であることを示します。
決算書類などで利益が赤字の場合は、△と数字を用いて示したりします。
よって、手元三角とは、「手元が△(三角)」ということは、「手元がー(マイナス)」ということです。
取引などにおいて、手元三角になるということは、売上よりも経費がかかってしまい、結果、利益はなく赤字の状態のことをいいます。
手元三角とは、赤字になるということ。
廃棄物処理法における手元三角
それでは、廃棄物を定義する上でこの手元三角はどう関わってくるのでしょうか。
それは、前回のブログで説明しました、廃棄物該当性を判断する総合判断説の1要素である【取引価値の有無】を考えるためです。
手元三角の取引例を以下の例に示します。
・とある会社A社は、処理費用を払ってX社に廃棄物の処理を委託していました。
・A社は、処理費用がもったいないので、廃棄物を買ってくれる会社はないか探していました。
・処理先を探したところ、Y社では、その廃棄物を1kgあたり1円で買ってくれることがわかりました。
・ただし、廃棄物の運送にかかる費用(1kgあたり100円)はA社が負担しなければなりません。
・A社としては、運送費がかかるけど、Y社からお金がもらえるので、これまでの廃棄物処理ではないと考えています。
上記事例では、A社は、Y社からお金をもらっていますが、運送費の方が高いので、1kgあたり99円の損する(マイナスになる)ことになります。
これが、手元がマイナスになるいわゆる手元三角という考え方です。
廃棄物の世界のモノとカネの動き
みなさんも普段スーパーやコンビニ、飲食店等などに行かれて何かを購入する際は、その対価としてお金をお店に支払うと思います。
このように通常の取引であれば、提供される品物やサービスに応じた対価を客側が支払うことになります。
廃棄物の世界では、これが同じ方向を向きます。
といってもイメージがわかないと思うので図に示すと以下のとおりです。
要するに、廃棄物を誰かに処理してもらう場合には、モノ(廃棄物)とカネを相手側に渡すことになります。
これが、普通の取引ではない廃棄物の世界におけるモノとカネの動きになります。
まとめ
今回は、廃棄物該当性を考える上で重要な「手元三角」について説明しました。
廃棄物処理法の世界では、通常の取引形態とは異なったモノとカネの動きをします。
このあたりを踏まえた上で、廃棄物処理法に興味を持っていただければと思います。
廃棄物処理法の手続きでお困りの際は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。