建設業許可申請の流れを完全解説|準備から取得まで何ヶ月かかる?

📋 この記事の目次
建設業許可を取得したいけれど、「どんな手順で進めればいいの?」「どのくらい時間がかかるの?」と疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。この記事では、許可申請の準備から取得までの全ステップを、スケジュールの目安とともにわかりやすく解説します。
- 申請準備から許可取得までのステップと期間の目安
- 必要書類の種類と収集方法
- 自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の違い
- 許可取得後にやるべきこと
1. 建設業許可申請の全体スケジュール
建設業許可の申請は、準備から許可証の受領まで最短でも2〜3ヶ月、行政書士なしで自分で行う場合は3〜4ヶ月程度を見込んでおくのが一般的です。大臣許可の場合はさらに長くなります。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 要件の確認 | 1〜2週間 |
| ステップ2 | 必要書類の収集 | 2〜4週間 |
| ステップ3 | 申請書類の作成 | 1〜2週間 |
| ステップ4 | 窓口への申請・手数料納付 | 1日 |
| ステップ5 | 審査期間 | 知事許可:約30日/大臣許可:約120日 |
| ステップ6 | 許可証の受領・事業開始 | 許可通知書の受領後すぐ |
書類の不備や補正が発生すると、審査期間がさらに延びる場合があります。工事の受注予定がある場合は、少なくとも4〜5ヶ月前から準備を開始することをおすすめします。
2. ステップ1 要件の確認(1〜2週間)
まず最初に、自社が建設業許可の要件を満たしているかどうかを確認します。許可要件は大きく6つあります。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| ① 経営業務の管理責任者 | 5年以上の建設業経営経験を持つ常勤役員・事業主がいるか |
| ② 営業所技術者(専任技術者) | 国家資格または実務経験(最大10年)を持つ常勤技術者がいるか |
| ③ 財産的基礎 | 自己資本500万円以上、または500万円以上の預貯金があるか |
| ④ 誠実性 | 不正・不誠実な行為をするおそれがないか |
| ⑤ 欠格要件に非該当 | 役員に欠格事由(破産・禁錮刑など)に該当する人物がいないか |
| ⑥ 社会保険加入 | 健康保険・厚生年金・雇用保険に適切に加入しているか |
建設業許可は業種ごとに取得が必要です。この段階で「どの業種の許可を取得するか」「一般建設業か特定建設業か」「知事許可か大臣許可か」を決定しておきましょう。
📖 あわせて読みたい
3. ステップ2 必要書類の収集(2〜4週間)
建設業許可の申請には、多くの書類が必要です。役所や法務局での取得が必要なものも多く、収集に最も時間がかかるステップです。都道府県によって若干異なりますが、主な必要書類は以下のとおりです。
■ 法人の場合
| 書類名 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 法務局 | 3ヶ月以内のもの |
| 定款のコピー | 自社保管 | 原本証明が必要な場合あり |
| 役員全員の身元証明書 | 本籍地の市区町村 | 3ヶ月以内のもの |
| 役員全員の登記されていないことの証明書 | 法務局 | 3ヶ月以内のもの |
| 納税証明書(法人税) | 税務署 | 直近分 |
| 財務諸表(貸借対照表・損益計算書) | 自社作成 | 直近1期分 |
| 社会保険の加入証明書類 | 年金事務所・ハローワーク | 直近のもの |
| 経管・専技の実務経験証明書類 | 自社作成+元請証明 | 請負契約書・請求書など |
| 技術者の資格証明書(資格証のコピーなど) | 本人保管 | — |
| 営業所の写真(外観・内部) | 自社撮影 | 看板・固定電話が写るもの |
■ 個人事業主の場合(法人と異なる主な書類)
| 書類名 | 取得先 |
|---|---|
| 住民票(本籍記載) | 市区町村役場 |
| 確定申告書(直近5年分) | 税務署・自社保管 |
| 納税証明書(所得税) | 税務署 |
経管・専技の実務経験を証明するには、過去の請負契約書・注文書・請求書・通帳の写しなど大量の書類が必要です。古い書類が見つからない場合は元請業者に証明を依頼する必要があり、時間がかかることがあります。書類収集は早めに着手することが重要です。
4. ステップ3 申請書類の作成(1〜2週間)
収集した書類をもとに、申請書類一式を作成します。申請書類は都道府県の窓口またはWebサイトからダウンロードできます。
主な申請書類
- 建設業許可申請書(様式第1号)
- 役員等の一覧表(様式第1号別紙)
- 営業所一覧表(様式第1号別紙2)
- 専任技術者一覧表(様式第1号別紙3)
- 工事経歴書(様式第2号)
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
- 使用人数(様式第4号)
- 誓約書(様式第6号)
- 経営業務の管理責任者証明書(様式第7号)
- 専任技術者証明書(様式第8号)
- 実務経験証明書(様式第9号)※実務経験の場合
多くの都道府県では申請前に「事前相談」の制度を設けています。書類を一式揃えたあと、本申請前に窓口で内容を確認してもらうことで、不備による差し戻しを防ぐことができます。初めての申請では積極的に活用しましょう。
5. ステップ4 窓口への申請・手数料の納付
書類が揃ったら、申請窓口に書類一式を持参して申請します。郵送申請や電子申請が可能な都道府県もありますが、初回は窓口持参が無難です。
申請先と手数料
| 許可の種類 | 申請先 | 手数料(新規) |
|---|---|---|
| 都道府県知事許可 | 各都道府県の建設業担当窓口 | 90,000円 |
| 国土交通大臣許可 | 国土交通省地方整備局など | 150,000円 |
申請後に審査で不許可となった場合や申請を取り下げた場合でも、納付した手数料は返金されません。書類の内容を十分確認してから申請しましょう。
申請当日の流れ
- 書類一式を持参して窓口へ
- 窓口担当者による書類の形式確認(受付審査)
- 手数料の納付(収入証紙または現金払いなど、都道府県により異なる)
- 受付番号・受理通知の受取
6. ステップ5 審査期間(知事許可:約30日/大臣許可:約120日)
申請書類が受理されると、行政による審査が始まります。この期間中は許可はまだ下りていないため、許可が必要な工事(500万円以上など)を受注することはできません。
| 許可の種類 | 標準審査期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 都道府県知事許可 | 申請受理から約30日 | 都道府県により25〜45日程度の差あり |
| 国土交通大臣許可 | 申請受理から約120日 | 地方整備局→本省と2段階の審査があるため長期化 |
審査中に補正(修正)を求められた場合
書類に不備や記載漏れがあると、行政から補正を求める連絡が来ます。指定された期日内に補正対応をしないと申請が却下されることがあります。
補正対応が発生した場合、その分だけ審査期間が延びます。補正を最小限に抑えるためにも、事前確認(窓口相談)を活用した上で申請することが重要です。
7. ステップ6 許可証の受領・事業開始
審査が完了し許可が下りると、許可通知書(建設業許可証)が交付されます。都道府県によっては郵送で送られてくる場合と、窓口での受取が必要な場合があります。
許可証を受け取ったらやること
- 許可通知書の記載内容(業種・許可番号・有効期限)を確認する
- 許可証のコピーを営業所に掲示する(建設業法により義務)
- 許可番号を名刺・ホームページ・見積書などに記載する
- 許可証の有効期限(5年後)をカレンダーに登録する
建設業許可を取得した事業者は、営業所および建設工事の現場ごとに「建設業の許可票(金看板)」を掲示しなければなりません。許可票の規格(サイズ・記載内容)も定められているため、許可取得後すぐに準備しましょう。
8. 申請を自分でやる?行政書士に頼む?
建設業許可の申請は自分で行うことも可能ですが、書類の量が多く要件判断が複雑なため、多くの事業者が行政書士に依頼しています。
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 手数料のみ(知事許可:9万円) | 手数料+報酬(10〜15万円程度) |
| 時間 | 書類収集・作成に多大な時間が必要 | 本業に専念できる |
| 正確性 | 記載ミス・書類不備のリスクあり | 専門家によるチェックで不備が少ない |
| 要件判断 | 自分で調べる必要がある | 専門家がアドバイス |
| 向いている人 | 時間に余裕があり、費用を抑えたい方 | 早く確実に取得したい方・初めての方 |
- 知事許可(新規・1業種):10〜15万円程度
- 業種追加のたびに数万円が加算される場合が多い
- 大臣許可の場合はさらに高くなる傾向あり
- 事務所によって料金体系が異なるため、複数社に見積を依頼することをおすすめします
9. 許可取得後にやること
建設業許可を取得したあとにも、法律で義務付けられた手続きがいくつかあります。怠ると許可の取消しや罰則の対象になる場合もあるため、しっかり把握しておきましょう。
① 毎年の決算変更届(事業年度終了後4ヶ月以内)
許可を受けた建設業者は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に「決算変更届(事業年度終了報告)」を提出しなければなりません。財務諸表や工事経歴書などを添付して申請します。この届出を怠ると、許可の更新ができなくなる場合があります。
② 変更が生じた場合の変更届
以下の事項に変更が生じた場合は、定められた期間内に変更届を提出する必要があります。
| 変更事項 | 届出期限 |
|---|---|
| 商号・名称・所在地の変更 | 変更後30日以内 |
| 役員・経営業務の管理責任者の変更 | 変更後30日以内 |
| 専任技術者の変更・追加・削除 | 変更後2週間以内 |
| 営業所の新設・廃止 | 変更後30日以内 |
③ 許可の更新(有効期限の30日前まで)
建設業許可の有効期限は5年間です。期限が切れる30日前までに更新申請をしなければ許可が失効します。更新を忘れると再度新規申請が必要になり、手数料も新規と同額かかります。
毎年の決算変更届を提出していないと、更新申請の際に全年度分の提出を求められます。滞納が多いと手続きが複雑になるため、毎年必ず期限内に提出する習慣をつけましょう。
まとめ
- 申請準備から許可取得まで最短2〜3ヶ月、余裕を持って4〜5ヶ月前から準備を始めよう
- 書類収集(ステップ2)が最も時間がかかる。実務経験証明書類は特に早めに準備する
- 知事許可の手数料は9万円、大臣許可は15万円。返金はされない
- 審査期間は知事許可約30日、大臣許可約120日。補正が入るとさらに延びる
- 事前確認(窓口相談)を活用することで不備を防げる
- 初めての申請は行政書士への依頼が確実。費用は10〜15万円程度が目安
- 許可取得後も毎年の決算変更届と5年ごとの更新を忘れずに
相談・見積もりは無料です。


