【初心者向け】建設業許可とは?取得が必要なケースと29業種・申請要件をわかりやすく解説

📋 この記事の目次
1. 建設業許可とは?基本をおさらい
建設業許可とは、建設工事を請け負う際に国や都道府県から取得しなければならない行政上の許可のことです。根拠となる法律は「建設業法」であり、この法律の目的は建設業者の資質向上と発注者の保護にあります。
建設工事には多額のお金が動くため、技術力・財力・信頼性のない業者がむやみに工事を受注することを防ぐための制度です。無許可で許可が必要な工事を受注した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
すべての建設工事に許可が必要なわけではありません。「軽微な工事」に該当する場合は、許可なしでも工事を請け負うことができます。
2. 許可が必要になる「軽微な工事」の基準
建設業法では、一定の規模以下の工事を「軽微な建設工事」と定め、許可なしで請け負うことができます。具体的な金額基準は以下のとおりです。
| 工事の種類 | 軽微な工事の基準 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事 |
| それ以外の工事 | 請負代金が500万円未満(税込)の工事 |
1つの工事を複数の契約に分割しても、正当な理由がなければ合算して判断されます。意図的に500万円以下に分けることは認められません。
3. 29業種の許可区分
建設業許可は業種ごとに取得する必要があります。現在、建設業法では以下の29業種が定められています。
土木一式工事 / 建築一式工事 / 大工工事 / 左官工事 / とび・土工・コンクリート工事 / 石工事 / 屋根工事 / 電気工事 / 管工事 / タイル・れんが・ブロック工事 / 鋼構造物工事 / 舗装工事 / しゅんせつ工事 / 板金工事 / ガラス工事 / 塗装工事 / 防水工事 / 内装仕上工事 / 機械器具設置工事 / 熱絶縁工事 / 電気通信工事 / 造園工事 / さく井工事 / 建具工事 / 水道施設工事 / 消防施設工事 / 清掃施設工事 / 解体工事 / 鉄筋工事
複数の業種にまたがる工事を行う場合は、それぞれの業種ごとに許可を取得する必要があります。たとえば、内装と電気工事を両方請け負う場合は「内装仕上工事業」と「電気工事業」の2つの許可が必要です。
4. 大臣許可と知事許可の違い
建設業許可は、営業所の所在地によって「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」の2種類に分かれます。
| 許可の種類 | 条件 | 申請先 |
|---|---|---|
| 国土交通大臣許可 | 2つ以上の都道府県に営業所がある場合 | 国土交通省(地方整備局) |
| 都道府県知事許可 | 1つの都道府県にのみ営業所がある場合 | 各都道府県の担当部署 |
「知事許可だから他の都道府県で工事ができない」わけではありません。営業所の所在地の問題であり、工事現場の場所は問いません。知事許可でも全国どこの現場でも工事を行えます。
5. 一般建設業と特定建設業の違い
建設業許可には「一般建設業」と「特定建設業」の区分があります。
| 区分 | 対象となるケース |
|---|---|
| 一般建設業 | 下請けに出す金額が4,500万円(建築一式は7,000万円)未満 |
| 特定建設業 | 下請けに出す金額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上) |
- 下請けに発注する金額が基準を超える場合は、特定建設業許可が必須
- 財産的要件(純資産額4,000万円以上など)が一般より厳しい
- 元請けとして大規模工事を受注する場合に必要になることが多い
6. 許可を取得するための5つの要件
建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
① 経営業務の管理責任者
5年以上の経営経験を持つ人物が常勤していること。
② 専任技術者
営業所ごとに、資格や実務経験を持つ技術者が常勤していること。資格の例としては1級・2級建築士、土木・管工事・電気工事施工管理技士などが該当します。国家資格がなくても、10年以上の実務経験で認められる場合もあります。
③ 財産的基礎
自己資本500万円以上、または500万円以上の預貯金など。
④ 誠実性
請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと。
⑤ 欠格要件に非該当
破産者や過去5年以内に許可取消しを受けていないことなど。
- 1級・2級建築士、1級・2級土木施工管理技士
- 1級・2級管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士
- 国家資格がなくても、10年以上の実務経験で認められる場合あり
7. 申請の流れ
- 申請書類の確認・準備 都道府県のWebサイトや行政書士に相談し、必要書類のリストを取得する
- 添付書類の収集 登記簿謄本・納税証明書・技術者の資格証明など多数の書類を収集する
- 申請書の作成 申請書類一式を作成(行政書士への依頼が一般的)
- 窓口への申請・手数料納付 知事許可の場合:9万円(新規)、大臣許可の場合:15万円
- 審査期間 知事許可は約30日、大臣許可は約120日が目安
- 許可証の交付・事業開始 許可通知書を受け取り次第、許可業種の工事が請け負い可能に
建設業許可の有効期間は5年間です。期限が切れる30日前までに更新手続きをしなければ許可が失効します。更新を忘れると再度新規申請が必要になりますので、スケジュール管理を徹底しましょう。
まとめ
- 建設業許可は、500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請け負う際に必要
- 許可は29業種それぞれに取得する必要がある
- 営業所の所在地によって大臣許可・知事許可が決まる(工事場所は問わない)
- 下請けに出す金額によって一般建設業・特定建設業が異なる
- 取得には5つの要件(経管・専技・財産・誠実性・欠格非該当)をすべて満たす必要がある
- 有効期間は5年。更新を忘れずに!
相談・見積もりは無料です。
